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巌谷小波童話集 寓話編 1

著者: 巌谷 小波
ナレーター: パンローリング
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あらすじ・解説

子どもの想像力を豊かに育む 昔話とファンタジーの読み聞かせオーディオブック


お子様が集中して聴けるよう、お話は1話10分程度。プロとして活躍する朗読家や声優、ナレーター達が感情豊かに読み上げます。



巌谷小波は文部省唱歌「ふじの山」や童謡「浦島太郎」の作詞者としても知られている童話作家です。今日有名な『桃太郎』や『花咲爺』などの民話や英雄譚の多くは彼の手によって再生されて、読者の手に届いたもので、日本近代児童文学の開拓者というにふさわしい業績を上げている作家でもあります。その後には、創作童話も作り上げて、作家としての地位を確立すると共に、内外の昔話や名作をお伽噺として平易に書き改める仕事のほか、童話の口演や戯曲化も試みていきました。



「菊の紋」

 昔ある広い野原に、可愛らしい菊の花が二輪咲いていました。同じ株から生えていた二輪は、黄色い方をお黄ちゃん、白い方をお白ちゃんと云いました。

 ある日のこと、そこに一人のおばあさんがやって来て、お黄ちゃんを見ると、うちに来ないかと声を掛けました。おばあさんの家は菊職人で、ちゃんと世話をして今よりも立派に咲かせてあげるという言葉に喜んで、お黄ちゃんは付いて行くことにしました。お白ちゃんは私も連れて行ってと頼みましたが、おばあさんは何も色がないお前を連れて行くわけにはいかないとはねつけて、お白ちゃんだけは、その野原に置いていかれてしまったのでした……



「箒木星」

夜空に光る星々は、昼の間は雲の中でぐうぐう眠っています。

ですが、その日は雲の周りで雲雀がぺちゃくちゃさえずっているので、星たちはうるさくて眠れません。いくら言っても聞かず、おしゃべりをやめないのを見かねて、とうとう星の中でも幅を利かせている箒木星の翁が起こって、怒鳴り散らし、髪とひげを振り回しながら追い払おうとしますが、雲雀の方もさらに仲間を呼んで騒ぎ立てますから、翁一人では太刀打ちできません。

そして箒木星の翁は、不意に雲から足を踏み外すと、地上に落ちてしまったのです……



●収録しているお話(一部)●

あやまり小法師

箒木星

独活の大木

龍宮土産

三日月様

金魚銀魚

月と雲

渋柿甘柿

一番鶏

蝶の片羽

石っころ

松の力

朝顔

三すくみ

兎の片耳

燕と鯉幟



<巌谷小波(いわや さざなみ)>

児童文学者、小説家、俳人。本名季雄 (すえお) 。 1870年東京生まれ。1887年、尾崎紅葉らの硯友社に参加し、「文壇の少年屋」といわれるほど少年少女の純愛をテーマにした小説を多く書いたが、『こがね丸』 (1891) 以後は児童文学に専心。 95年創刊の『少年世界』の主筆として毎号作品を発表、「お伽噺 (とぎばなし) 」の新分野を開拓するとともに後進の指導にもあたり、明治の児童文学界に君臨した。
(c)2017 Pan Rolling

巌谷小波童話集 寓話編 1に寄せられたリスナーの声

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