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サマリー
あらすじ・解説
Q:店長です。タバコや体臭が強いスタッフがいます。このまま暑くなってしまうと、他のスタッフだけでなくお客様からもクレームになるのでは…と心配です。どうしたらいいでしょうか。 A: 店舗全体で指摘できる環境づくりをした上で、個別にアナウンスしましょう。 こんくり株式会社 https://con-cre.co.jp/ MANA-formation https://community.camp-fire.jp/projects/view/409762 <解説> 接客業に携わるとき、必ず守るように言われるのが身だしなみ。そのうちの一つに「ニオイ」に関するものがあります。例えば香水、口臭や体臭、タバコのニオイなど、食品を扱う者として相応しくないニオイに注意しましょう、という話は、一度は聞かれていることと思います。 最近ではセクハラやパワハラに続いて「スメルハラスメント」という言葉が聞かれるようになってきました。柔軟剤の過度なニオイが気になる、という人も出てきているようです。寒い時期にはそれほど気にならなかったニオイも、夏に突入するにつれて目立ってきてしまうため、早めに対策を取っていかなければなりません。店舗のスタッフ管理の一環として取り組む場合、どのような対応をしていくとよいかを見ていきます。 【放置するとどういう影響があるか】 まず、こうしたニオイの問題を、店舗側が放置するとどのような影響があるでしょうか。まず職場環境の面では、スタッフ間の人間関係に少なからず影響が出るでしょう。「言いたいけど言えない」状態、つまりコミュニケーションをうまく取れないことから、チームとしての統制がはかれなくなっていきます。こうした状態が続くと、最終的には店舗環境の維持、売上や利益にも影響が及ぶ可能性があります。 また、労働契約上、こうした職場環境調整義務やスタッフの安全配慮義務などが店舗側には課せられることから、仮にニオイの問題を放置し、雇用しているスタッフに何らかの健康被害など損害が発生したとき、店舗側が責任をとらなければならないことも想定されます。ここまで大きな影響はなかなかないかもしれませんが、常にリスクと対策は考えて対処したほうが良いでしょう。 それでは、具体的にどうすればいいのでしょうか。 【共通ルールにあっても改めてアナウンスを】 身だしなみのルールが各チェーンであるかと思いますが、仕事に慣れてくると意識が薄れがちです。中でも、ニオイについては自分では気付かないことも多く、気がつけば周りが迷惑していた…ということもあります。店長は梅雨の時期に入るタイミングで、スタッフ全員に店舗独自の注意喚起を行っていきましょう。 事務所に張り紙を行う、連絡ノートに記載する、朝礼で伝えるといった方法を活用するのはもちろん、具体的なアクションに起こしていきます。例えば、梅雨入り前から夏場にかけてはセルフチェックだけでなく、クロスチェック(2人以上での確認)で身だしなみを強化する。休憩を取った場合は歯磨きを可能な限り推奨する(洗面台が店内トイレ以外にないケースも多いため、難しいこともありますが…)。あるいは就業規則の「服務規程」部分や店内ルールに明記して「気づいた点があれば店長に言ってね」とアナウンスを行うことも必要でしょう。香水をつけることについての影響、汗のケアやタバコを吸ったあとのケアなど、具体的に書いておくことが第一歩になります。 【体臭の強い人にどう説明するのか】 それでは、もしタバコのニオイや体臭が強く感じられるスタッフがいた場合はどうすればいいでしょうか。まず、タバコの場合は喫煙後のケアを促すことが重要です。私の知っている店舗では、店長であってもタバコのニオイが残っているときに「店長、タバコ臭いよ」とスタッフから指摘をする文化があります。店長も指摘を受けてムッとするのではなく、「あ、残ってた?ごめんごめん!」と素直に受け入れ、対応しています。あまりシリアスに伝えるよりは、比較的ストレートかつ軽快な伝え方が効果を発しやすいようです。 次に体臭ですが、タバコのニオイに比べて伝えづらいでしょう。しかし、冒頭にも述べた通り自分では気付...