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サマリー
あらすじ・解説
世の中に溢れる様々なニュースの中から、 音に関する話題だけを番組独自の視点でピックアップしてお届けします。 まず一つ目のニュースです。 鳥は絵を知る 音を知る ハトが画風識別、ブンチョウは古典好み…芸術感覚を研究 渡辺茂 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD274KK0X20C22A5000000/ 日本経済新聞 6/8の記事です。 「鳥は絵を見たとき、作風の違いが分かるのか?上手(じょうず)か下手(へた)かは? 音楽ではどうか? 心理学を専攻する私は、鳥類が人の「芸術センス」に類似した能力を持っているかを、半世紀以上にわたって調べてきた」 ブンチョウ4羽を使って、 バッハが流れる止まり木と、シェーンベルクが流れる止まり木、 何も流れない止まり木の3つを用意したら、 4羽のうち2羽は、バッハの止まり木に一番多く、長く止まってた、 ということらしいです。 他の作曲家で試しても、現代音楽の作曲家よりも、 シェーンベルク以前の作曲家の方が人気が高かったみたいです。 音というのは物理現象で、 特に協和音と不協和音の違いは、 人間が恣意的に考えたものというよりは、 物理的な波形の特性のようなものですから、 鳥でも人間でも、協和音を良いと感じる個体が多いのは、 なんとなく頷けますけど、 逆に言えば、もしかすると鳥の中にも 人間と同じように、現代音楽好きな子もいるんじゃないかと思うと、 妄想が膨らみますね。 エドガー・ヴァレーズにハマる文鳥、とか。 ボアダムス聴いてると近くまで寄ってくる、とか。 そういえばMerzbowの秋田昌美さんは鳥好きでしたね。 続いてのニュースです。 レーザー光で音を測る!? マイクを超える光学的音響計測の世界 https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/1422034.html AV Watch 7/4の記事です。 1ビット研究会っていう、 1ビットオーディオに関心のある方々による 研究発表会の中で発表された、 直接1ビットとは関係のなさそうですけど、興味深い研究について、 藤本健さんがレポートされています。 通常、音を計測する場合は、マイクを使うわけですけど、 この研究では、マイクの代わりに、 レーザー光線を音に当てて計測するんだそうです。 音は空気の振動ですから、 空気が波打って伝わるんですけど、 そこでは光も音の波の影響で屈折するらしくて、 それを捉えることで、音の状態を、 サーモグラフィみたいなグラフィックで 視覚化できるということみたいですね。 マイクだと測定できないようなところ、 例えばスピーカーの中で音がどう反射してるか、とか、 カスタネットの、音が出る接点周辺の音を測定して、 音の原理が細かく分析できるとか、 音の仕組みの、非常に細かいところまで 分析できるようになりそうです。 光で音を計測するための研究は 80年代前半からあったそうです。 この発表のメインは、 パラメトリックスピーカーの計測にはマイクが使えないので、 レーザーで行いました、ということらしいですけど、 この、光学での計測という技術そのものが、 とても面白そうですね。 続いてのニュースです。 「音が痛みを和らげる」作用、“音楽ジャンルは関係なかった”との研究報告 https://www.phileweb.com/news/hobby/202207/08/5640.html PHILE WEB 7/8の記事です。 「米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)の神経生物学者が、音に痛みを和らげる効果があることを研究で明らかにした。脳の働きを視覚的に調べる技術を使用し、痛みに関する感受性が音によってどのように変化するのか、そのメカニズムを調べたという」 マウスによる実験ですけど、 音楽ジャンルに関係なく、 適度な音量の音楽が痛みの軽減に効果があったそうです。 こういうニュースを見ると気になるのは、 かけた音楽ジャンルが、他に何があったか、ですね。 ホワイトノイズでも効果は変わらなかった、 というところはわかったみたいですけど、、 ギル・スコット・ヘロンみたいな、 ポエトリー・リーディングのような音楽はかけたのか、とか。 ラップみたいな、歌と語りの間ぐらいのものとか。 多分、音楽とそうでないものの間には明確な境界線がなくて、 グラデーションみたいになってると思うんですけど、 その辺...