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子供が観る映画ではなかった――映画『カビリアの夜』評

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子供が観る映画ではなかった――映画『カビリアの夜』評

著者: 平川 克美
ナレーター: 落合 佑介
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このコンテンツについて

フェデリコ・フェリーニ監督の映画『カビリアの夜』は、一九五七年に製作・公開されている。その前年、日本では売春防止法が制定され、以後、日本文化の一翼を担った遊郭が消えていった。皮肉にも、この年、品川遊郭を舞台にした川島雄三の傑作『幕末太陽伝』が公開されている。前年に東調布第三小学校に入学した私は、七歳のケツの青いガキで、世界は、自分の前に無限に広がる海のように単純で、偉大だった。  七歳の子供には、世の中には、男と女がいて、昼と夜の間には人間の数だけの争い事や悩みがあり、多くの人間たちは空腹や貧乏、抑圧や裏切りに耐えながら生きているなんてことは、わかるはずもなかった。 『カビリアの夜』の主人公は、カビリアというローマの娼婦である。(本文より)内田樹&平川克美の「大人の条件」はこちらから→https://yakan-hiko.com/uchida.html© Hirakawa Katsumi, (P) 2016 Audible, Inc. 映画・テレビ

子供が観る映画ではなかった――映画『カビリアの夜』評に寄せられたリスナーの声

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