実説 城谷怪談 撰集十八
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ナレーター:
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城谷 歩
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著者:
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城谷 歩
このコンテンツについて
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
<内容紹介>
「囁く男」
ある日、同じサークルに所属する霊感の強い先輩に呼び止められた大学生のサヤマ君は、通学に使っている地下鉄の電車についての嫌な噂を聞く。
「○○駅から、前からか後ろからかは忘れたけれど三両目に乗り込むと、この世のモノではない何かに見そめられることがある。目を合わせたら、最後はダメになるかもしれないから気をつけろ」。
幸いにもその駅はサヤマ君が利用する駅ではなかったのだが、その日、特別な理由から普段使わない駅で途中下車することになってしまったサヤマ君が見た駅名は。先輩から聞いた件の駅だった…。
「拾い物」
小池さんの二人の息子がまだ6歳と4歳だったころ、ある時期、二人の妙な行動が気になったことがあった。食事中や団らんをしている中、ふと気づくと二人の息子があらぬ方をジッと見つめ、視線の先に何かがいるように目で追う仕草を見せるのだ。
ある晩、小池さんも息子たちの見ている方に目線を投げると、目の端に一瞬、動物ともボールともつかない黒い塊がスッと動くのが見えた。一瞬の出来事で塊は部屋の暗がりに消えてしまったため、ついに意を決し息子に問いただしてみると…。
「新居」
上原さんという女性。中学生の時分、母親と二人で郊外の一軒家に引っ越しをした。
初めての引っ越し、両親の離婚、多感な少女は思春期と相まって沈んだ気持ちを隠し切れなかったそうだ。母親も引っ越してきてから元気がなく、次第に親子の距離が離れていったある日、学校から帰って来た上原さんは灯もつけず、カーテンも引かない薄暗い茶の間にまるで子供のように足を投げ出して座り込み宙に向かって楽し気に話している母親を見た。
母親の周りには無残に切り散らかされた上原さんの大事なぬいぐるみの破片が散らばっていた。異様な光景に立ちすくみ身動きの取れなくなった上原さんに気付いた母親は、別人のような形相でゆっくり振り向くとしわがれた男のような声で「おかえり」と呟いた。
「うずくまる理由」
家のそばの廃墟に探検に赴いたのは、北沢さんが小学生だった40年ほど前の事である。
友人が言うには、その廃墟で心中事件があったとか、小さな女の子が風呂場で大やけどを負って亡くなったなど、真偽のほどは定かでなかったが好奇心を刺激するには十分な噂があった。
ある日の昼間、北沢さんは友達五人を連れ立ち、件の廃墟に侵入を試みた。ただの古めかしい一軒家の廃屋のようだが、二階を散策中に事態は急展開を迎えることになってしまう。
<城谷 歩(しろたに わたる)>
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年~2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com©2018 Wataru Shirotani
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