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末っ子
- ナレーター: 斉藤 範子
- 再生時間: 1 時間 44 分
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あらすじ・解説
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
七千二百石の旗本の三男で末っ子の小出平五は、二十四歳の年になっても養子にも行かず、一族の者から「末っ子だから甘ったれ」「うわっ調子で、侍らしくない。旗本の子であるという自覚が無い」などと言われて育った。
彼は七歳のときから、饅頭など貰ったお菓子を用心や侍長屋の子持ちに売ってはお金を稼ぎ、十三、四歳になると、骨董好きの父親が自分の眼ちがいを隠すために戸納の中に放り込んだものを抜いては、清鑑堂という道具屋に持って行くようになった。そうして、御家人の株を買うためにせっせとお金を貯め込んでいたのだ。そんな平五の道具屋としての目利きの才能を見込んだ清鑑堂の清兵衛は、「いっそ大小を捨てて裏の細江さんのお嬢さんを貰って、道具屋を始めたらどうです」と常々言っていた。
そんなある日、叔父の面目を立てるため、また骨董道楽である父親・玄蕃や親戚をギャフンと言わせてやろうとある企みを思いついた平五は、偽物の刀を用意するために清兵衛のところに行き、焼身の短刀を見つけるが、それは平五が密かに思いを寄せる貧窮した武家である細江家の娘・みのが売りに出した物で……。
「侍だましいもくそもあるもんか」
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ある日、店にはおせんという十七の娘がやって来た。借金を抜いて一人が店を出ることになった代わりだった。お秋は世話をしてやり、おせんを気に掛けるが、一方のおせんはなかなかお秋に懐こうとしなかった。
そしてある日、村次が「商売がうまく行かなかった」と、お秋に鞍替えの話を持って来た時、女主人はお秋に対して、おせんの身の上を話すのだった。それはお秋が思ってもみない残酷な真実だった……
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そこで新吉が出会ったのは松という男で、自分の名や年や身の上を話しては「嘘アつかねえ」と念を押していた。新吉は「やなぎ屋」で何度か松に会ったが、気になったのは松の女に対する言動だった。「女は殴りつけて蹴とばすに限る」――その強気の言葉から、かえって新吉は女房の尻に敷かれているであろう松の有様が想像できた。 ある日、新吉は酔い潰れた松を、家まで送ってやるのだが……
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