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[10巻] 浅草鬼嫁日記 十 あやかし夫婦は未来のために。（上）

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[10巻] 浅草鬼嫁日記 十 あやかし夫婦は未来のために。（上）

著者： 友麻 碧
ナレーター： ひなた たまり
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 茨木真紀と天酒馨。千年前に悪名を轟かせた鬼の夫婦“茨木童子”と“酒呑童子”の記憶を持ち、浅草であやかしを守って暮らす。今世こそ幸せになるために。やがて前世の嘘を暴き、また恋をして、地獄をも越え――二人は再び、浅草で巡り会う。
異様な妖気に閉ざされた浅草。原因である宿敵ミクズを止めるため、真紀と馨は浅草の地下へ向かう。そして千年前から二人を見守る“安倍晴明”こと叶冬夜もまた、ミクズと対峙するのであった――。
宿命が集う地で、彼らの物語に幕が引かれようとしていた。©Midori Yuma 2022 (P)KADOKAWA 文学・フィクション・ライトノベル

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千年の愛と宿命が交錯する、感動と緊迫の第十巻

敬称略。

『浅草鬼嫁日記 十 あやかし夫婦は未来のために。（上）』は、千年の時を超えて再会した茨木童子と酒呑童子の転生夫婦、真紀と馨が浅草を舞台にあやかしと共に生き抜く物語の第十巻。友麻碧の描く独特のあやかしの世界と、二人の夫婦愛が存分に詰め込まれたこの作品は、シリーズファンには見逃せない展開が待っています。

この巻では、真紀と馨の前に現れる宿敵ミクズとの戦いが物語の大きな柱となっています。浅草の異様な妖気の中で、二人はさらなる試練に立ち向かいながら、過去の因縁と対峙します。真紀と馨の間に流れる深い絆は、前世からの記憶とともに強まり、特に戦いの中での二人のやり取りや互いを思う心情描写が丁寧に描かれています。

また、千年前から二人を見守り続ける“安倍晴明”こと叶冬夜の存在が、この物語に更なる深みを加えます。彼の冷静さと知恵が、真紀と馨に助けとなり、彼らの成長を支える役割を果たします。叶冬夜の視点を通して見る過去と現在の交錯は、物語の謎解き要素をさらに魅力的にしています。

友麻碧の文章は、繊細かつ緻密で、あやかしの世界をリアルに感じさせてくれます。浅草の地下へ向かう緊張感のある展開や、ミクズとの対峙のシーンは息を飲むような緊迫感で描かれています。

この巻で特に印象的なのは、「未来のために」というテーマです。前世の因果を越え、今世こそ幸せになるために奮闘する真紀と馨の姿は、どこか希望に満ち、勇気を与えてくれる。彼らが過去の嘘を暴き、宿命に抗いながらも、互いに再び恋をし、絆を深めていく過程が胸に響きます。

『浅草鬼嫁日記 十』は、シリーズの集大成ともいえる巻で、長く続いてきた物語の終焉が近づく感覚が漂う一方、まだまだ続きが気になる要素も多く残されています。あやかしファンや、真紀と馨の物語に心を奪われた読者にとっては、次の展開が待ち遠しくなる一冊です。

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完結してなかったとは！

一日一冊聴いてきて、まさか11巻が公開前だったとは！三月に続きを聴けるとわかっているのが不幸中の幸い。

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