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wisの谷崎潤一郎(2) 「刺青」「秘密」「柳湯の事件」
- ナレーター: wis
- 再生時間: 2 時間 50 分
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あらすじ・解説
刺青師の清吉が肌にさす針、抜く針の度ごとに、その光輝ある美女は悶え深い吐息をついた。針のあとは次第に巨大な女郎)蜘蛛の形を具え始め、やがて女の背一面に広がった。糸のような呻き声が女の唇にのぼり、蜘蛛の足は生けるが如く蠕動した …。美しいものを征服し、征服される官能の喜びを描いた谷崎潤一郎の処女作の 「刺青」。
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「柳湯の事件」は、大正7年に発表された偏執的かつ官能的な犯罪小説の傑作。谷崎潤一郎は、耽美的、官能的な小説で知られる巨匠であるが、実は日本の創作推理小説界では先駆的存在であることは知られていない。かの江戸川乱歩は、その青年時代、谷崎ほど刺激的存在はいなかったという。ある日、弁護士のS博士の事務所に息せき切って飛び込んできた画家の青年が語る自分への殺人の嫌疑。湯屋で殺人を犯すに至る妄想。何でもヌラヌラしたものを見たり触ることに快感を覚える彼は、愛人にも、偏執的な愛撫や折檻を繰り返していた。ところが、彼女から逆に自分が殺されるのではないかという被害妄想にいつしか駆られ、ある日半死半生になるまで折檻を加えてしまう。倒れた彼女を置き家を飛び出すが、ふと通りがかった柳湯の湯船には、得体のしれない、足にヌラヌラと触れる物体が沈んでいた。それを彼女の死体だと確信するのだが――。
【朗読】wis
※透明感と落ち着きのある声で親しまれている女性朗読家です。
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ストーリー
いつか来たときの列車で向いの席にいた声の美しい女性の葉子は、駒子の家の若い病人を看病していたが、その病人も亡くなった。その後毎日、墓に参っていた。葉子は、湯に入るといつも澄んだ声で歌うのだった。駒子の使いでやって来た葉子と話すと、いずれ東京にいくので一緒に連れて行ってほしいという。ある日の早朝、駒子は宿の裏の坂を上ってそっと島村の部屋にやってきた。その夜も泥酔して島村の宿に立ち寄った。「君はいい女だね」という言葉に突然怒りだす。島村は、いつか駒子が通ってくるのを心待つにする気持ちになりながら、他方で自分のわがままに呵責が募るのであった。もうこれからは来られないだろうと思いながら長逗留を続けた晩秋のある日、島村の乗る車に飛び乗ってきた駒子と街を歩く。そこに突然、半鐘が鳴り出した。映画上映が行われている繭倉が火事だという。二人は駆けだした・・・。
著者: 川端 康成