『じゅりあの・吉助』のカバーアート

じゅりあの・吉助

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じゅりあの・吉助

著者: 芥川 龍之介
ナレーター: 野口 晃
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このコンテンツについて

代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。
才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。
そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。
次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。
その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。
芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。
また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。


じゅりあの・吉助は、肥前国彼杵郡浦上村の産であった。早く父母に別れたので、幼少の時から、土地の乙名三郎治と云うものの下男になった。が、性来愚鈍な彼は、始終朋輩の弄り物にされて、牛馬同様な賤役に服さなければならなかった。
その吉助が十八九の時、三郎治の一人娘の兼と云う女に懸想をした。兼は勿論この下男の恋慕の心などは顧みなかった。のみならず人の悪い朋輩は、早くもそれに気がつくと、いよいよ彼を嘲弄した。吉助は愚物ながら、悶々の情に堪えなかったものと見えて、ある夜私に住み慣れた三郎治の家を出奔した。
それから三年の間、吉助の消息は杳として誰も知るものがなかった。
が、その後彼は乞食のような姿になって、再び浦上村へ帰って来た。そうして元の通り三郎治に召使われる事になった。爾来彼は朋輩の軽蔑も意としないで、ただまめまめしく仕えていた。殊に娘の兼に対しては、飼犬よりもさらに忠実だった。娘はこの時すでに婿を迎えて、誰も羨むような夫婦仲であった。
こうして一二年の歳月は、何事もなく過ぎて行った……©2022 PanRolling
世界文学 歴史小説

じゅりあの・吉助に寄せられたリスナーの声

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何がそうさせるのか


ここまでするほどの信仰心が自分には無いのだが、最後まで祈りを捧げ続けたことがラストに繋がったのかなと思った。結局何も解決していない虚無感と、ロマンチックなラストがアンバランスに混ざっている。

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おもしろかったです

聞けてよかったです。独特の世界を堪能できました。おもしろかったです。

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報われる事はあるのだろうか

もしこの話の後があれば是非聞きたいものです。
ほのかに何かを感じても、そこから何かが変わらなければ吉助の死はなんだったのだろうと、思ってしまいそうです。

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信仰とは

信仰とは結局、内容より気持ちなのかなぁと思う作品でした。

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信仰を貫く強い意志

この信仰心はスゴいけど、視点を変えると、間違った理解をしてるヤバい奴。信仰心が強いなら尚のこと周りを見て視野を広く持つことだと思う。じゃないといい様に使われて捨てられるだけ。

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なんだか切ない

吉助の最後が美しくも切ない。
ナレーションが良かったので、物語の中に入り込んで聴くことができました。

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