銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。
今年に入ってからほんの半月ばかりの間に、神田中だけでも三箇所の放け火があった。三軒揃って酒屋、三軒揃って薪と墨も商い、三軒揃って夜中すぎに火を放けられた。「三の日と八の日を選ったのもおかしいじゃありませんか」･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。
ガラッ八曰く「おそろしく人見知り」な幽霊騒ぎに巻き込まれた銭形の平次、江戸九軒の大両替屋のひとつ升屋の主人由兵衛と息をひそめて夜の屋敷を見張っていると曲者が二人――が、どうしたことか「わッ」「た、大変ッ」大声をあげ仲間割れを始めました･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。――ガラッ八いわく「近頃大黒屋は恐ろしい左前で」大黒屋の評判の小町娘お関が、江島屋の評判の馬鹿息子のもとに嫁ぐことになった。結納はなんと三千両。その小判がそっくり砂利に化けていた…　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——江戸の大通、札差百九人衆の筆頭に据えられる大町人伊勢屋新六が竪川に落ちて死んだ。道楽仲間と暮六つまでの釣果に百両賭けてもうすっかり暗くなったのも構わず血眼になって釣っていたといいますが、さて、金の恨みも色恋の恨みもうんと買っていた男です。　　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——「御用聞には盆も正月もありゃしません。その大難というは一体何で？」大商人玉屋金兵衛がさる大々名から内々に借受けていた希代の名器・蝉丸の香炉、それが紛失したというのです･･　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。――江戸で小唄の師匠といえば山谷のお寿と馬道のお政。この江戸二人師匠と名高いお政が命の危険を感じて八五郎に泣きつき、八五郎が二日も行かなければ迎えをよこすほどだというのです…　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。　――平次の長屋にお芝居のような口上とともに現れて煎餅座布団に座ったのは、「さる大藩の国家老」石津右門と、「江戸御留守居」大垣伊右衛門。藩の興廃に拘わる大事に「さる人から平次殿の大名を承り、良き知恵を拝借に参ったようなわけじゃ――」と頭を下げるのです･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。――事故で死んだはずの横山町徳力屋千之助が平次のもとに忍んできた。自分を殺そうとした奴を捜してくれ、と彼は言う。「死んだ」千之助を継いで徳力屋を手に入れた従兄弟の吉五郎か、徳力屋番頭の要助か、千之助の許嫁お新を嫁にした丸屋の長次郎か･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——同朋町の山崎屋の隠居勘兵衛が死んだ。「変なことでもあるのかい」「変なことがないから不思議じゃありませんか」「そんな馬鹿なことがあるものか」「でも、ね親分、あの隠居は畳の上で往生の遂げられる人間じゃありませんぜ」八五郎の見立ては確かでした。　監督/吉田純子・編集/三好達也_野田仁志

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。　――浪人・福島嘉平太が竹光を背中に突き立てられて死んだ。笹野新三郎に現場への同行を頼まれた平次、八丁堀の与力が出役するのは余程の大捕物で、いずれは殺された武家の旧藩関係に厄介なことでもあるのでしょうか･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。　——平次の長屋にお芝居のような口上とともに現れて煎餅座布団に座ったのは、「さる大藩の国家老」石津右門と、「江戸御留守居」大垣伊右衛門。藩の興廃に拘わる大事に「さる人から平次殿の大名を承り、良き知恵を拝借に参ったようなわけじゃ——」と頭を下げるのです･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。―お品が判じ物を持ち込みました。『大舟町市兵衛百四十四夜』これが三年前に石原の利助が取り逃がした、幕府御用金五千両を奪った兇賊の唯一の手がかりだというのです･･･　監督/吉田純子・編集/三好達也_武井寿夫

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——八五郎、大立ち廻りで見事曲者を組み伏せた！と、なんとそれは石原利助の子分でした。「大層な手柄だったそうだな、八」しかし八五郎は曲者の顔を見ていたのでした。それは意外な顔でした。　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——倅の安否だけでも知りたいと、畳の上に双手を突いたままポロポロと涙をこぼす老女加世を前に、平次は黙って腕を拱きます。相手は肥前島原三万七千石の大名高力左近太夫高長、岡っ引が飛出すにしては、少々相手が悪かったのです。　　監督/吉田純子・編集/三好達也_野田仁志

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。　――相模屋の若旦那新助は大弓狂い、浪人者佐々村佐次郎を師に、庭に作らせた練習用の垜で過ごす毎日。そんなある日、矢が隣の松五郎宅に飛び込んでしまいました。覗くと、松五郎の娘お駒が美しい喉笛に矢を突っ立てて倒れていたのです･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を絶品の語り口でお楽しみください。—十兩から上の泥棒は首を斬られたこの江戸の時代に「――その命がけで溜めたお金が九百九十兩、誰かに盜まれてしまひました」･･･編集/三好達也

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。
浜田屋の隠居・喜兵衛が折り入って知恵を借りたいといってきたその相談の席で、平次の目の前で悶絶して死にました。この毒殺のあまりの手際にさすが平次も、煮えくり返るような忿怒と、一種の感嘆をさえ覚えるのでした･･･　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください――。柳橋は清川の大広間。芸妓たちと暗闇で眼隠し鬼に興じる板倉屋伴三郎でしたが「わッ、た、大変ッ」用心棒・白旗直八が頸をやられて死に、幇間の左孝が二階ら突き落とされて見つかったのです…　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——「親分、近頃金の要るようなことはありませんか」目を丸くする平次の前に、財布から、小判・小粒・青銭をゾロリと出してみせるガラッ八。驚く平次が問いただすと、拾って使っていた根付と恐ろしく錆びた無銘の脇差が数寄物に十両で売れたというのです。　　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——本郷切っての人気娘お駒が殺された。人形のような顔に幸福な思い出し笑いでもしているかの表情で事切れていた。「やはり、あのばかか」･･この事件は平次のもとに、後悔と友人とを残したのでした。　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——このところ年寄りや女子供まで斬って歩く辻斬野郎が、神田一円を荒し廻っております。「銭形とか平次とか大層顔の良いのが居たって、辻斬へ指も差せねえようじゃ案山子ほどの役にも立たねえ‥」　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——両国中の見世物小屋を圧倒した人気者お玉の骸が揚がった。「あの死骸は違っていますよ」「何？」「玉ちゃんによく似ていますが、玉ちゃんじゃありませんよ」ささやいたお関まで行方知れずに…　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。——投げ銭、十手、捕縄のさばき、声から、身体の恰好まで、銭形によく似たという強盗が江戸中を荒らし廻っておりました。さすがの平次も悄気返っていたのを「親分、引っ込んでいちゃ、世間の疑いが晴れっこはありません」八五郎が引っ張り出しました。　監督/吉田純子・編集/三好達也_野田仁志

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。かの司馬遼太郎が、吉田茂が、夢中になった銭形を、絶品の語り口で。——近頃のお江戸の流行物は、うんすんカルタに儒子の帯、ビードロ細工に人さらい…　今度消えたのは金座の役人の息子、ほんの煙草なら三服吸う間にいなくなったというのです。「俺の縄張うちへ来ちゃ放っておけまい」　監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史

銭形の親分。ガラッ八。聞いたことないという日本人はおられまいと思えます。貴顕紳士も夢中になった銭形を、絶品の語り口でお楽しみください。

風のごとく去来し一夜のうちに二里も三里も離れたところを盗んでみせる怪盗『千里の虎』は、平次と八五郎が挟みうちにした先からも消え失せました。その場所は小石川の庚申横丁。按摩の竹の市、お妾のお糸、俳諧の宗匠・其月堂鶯谷がすんでおりました･･･　　
監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史