エピソード

  • 一夜語Podcast~2025年11月前半の星空~
    2025/10/27

    2025年11月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:36

    天頂付近に見つかる秋の四辺形。西側の星を結び下におろすと、みなみのうお座のフォーマルハウト、東側の星を結んで下に伸ばすと、くじら座のディフダが見つかります。この星はデネブ・カイトスと呼ばれていましたが、現在の正式名称はディフダです。そして二つの星と秋の四辺形の間に、今年は土星がやってきていて、秋空に三角を作っています。くじら座と秋の四辺形の間には、うお座も見つかります。

    「たのしみはまれに魚煮て児等皆がうましうましといひて食ふ時」橘曙覧


    7:40

    11月18日に、しし座流星群がピークを迎えます。2001年には一時間に千個以上ともいう流れ星が見られた流星群です。母彗星であるテンペル・タットル彗星が約33年で太陽を巡るのにあわせて大出現を繰り返しています。今年は数は多くないものの、明るい流れ星を見るチャンスはあります。いしいしんじさんの「プラネタリウムのふたご」という作品では、主人公の双子の名前がテンペルとタットルです。冬間近の夜長、本を読みながら宇宙を旅する彗星を思い浮かべてみては。


    プラネタリウム一夜語

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    #秋の四辺形#橘曙覧#しし座流星群#プラネタリウムのふたご

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    12 分
  • 一夜語Podcast~2025年10月後半の星空~
    2025/10/12

    2025年10月後半から11月前半にかけての星空案内です。


    0:35

    午後7時ともなると空は真っ暗。見上げた天頂をはさみ、西寄りに夏の大三角、東寄りに秋の四辺形が見つかります。秋の四辺形は別名ペガススの四辺形、天馬の体を作ります。ただ、おへその星アルフェラッツは隣のアンドロメダ姫の頭の星です。ペガサスはひっくり返って飛んでいるため、頭は南西のほうへたどり、鼻先の星がエニフ。このあたりには、88の星座の中で2番目に小さな「こうま座」があり、また望遠鏡を使うとM15という見事な球状星団も観察できます。一般的にはペガサスですが、星座の名前としてはペガスス座と少し違う表現になります。


    6:47

    2025年は11月2日が十三夜、後の月(のちのつき)です。十五夜とあわせて二つとも見るべきとされるお月見の日。続く5日が満月で、スーパームーンと呼ばれることでしょう。地球に近いところで起こる満月とされますが、定義がないため、一年に複数ある場合もあります。すっかりと冷たくなった空気の中、澄んだ白い月を眺めてみては。


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    10 分
  • 一夜語Podcast~2025年10月前半の星空~
    2025/09/27

    2025年10月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:32

    今年の中秋の名月は10月6日です。旧暦の8月15日、十五夜です。旧暦の7月一か月間は「仲秋」、7~9月の秋の期間の真ん中である8月15日が「中秋」、よって、名月は「中秋」の字が使われています。もう一つのお月見が後の月、今年は11月2日で、どちらかしか見ないのは片月見などといって避けるものといいます。


    3:45

    宵の東空に昇ってきたエチオピア王家の人々。5つの星がぎざぎざに並んだ王妃カシオペア座は見つけやすく、北極星探しもできます。王のケフェウス座は目立たないながら、望遠鏡で見るとザクロ石のように赤く見えるガーネットスターがあります。王女アンドロメダ座にはアンドロメダ銀河。私たちの銀河系と同じく、数千億ともいう星やガスが集まった渦巻円盤の大集団です。その距離は約250万光年、これでもお隣の銀河。長い時をかけて届く淡い光を秋空に探してみては。


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    #中秋の名月#エチオピア王家の星座

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    10 分
  • 一夜語Podcast~2025年9月後半の星空~
    2025/09/12

    2025年9月後半から10月前半にかけての星空案内です。


    0:37

    9月22日に土星が、続いて24日には海王星が衝となります。地球から見て両者は太陽と反対の方向にあり、見かけ上も同じあたりに位置しています。土星の公転周期は29年半ほど、海王星は約165年です。このためこの先土星は海王星と位置が離れていきますが、再び海王星に追いつくのが36年後の2061年。この年はハレー彗星が帰ってくる年でもあります。


    4:46

    9月23日は秋分の日。春分の日や秋分の日は昼と夜の長さが同じ日ではありません。日の出、日の入り時に太陽が地球の大気によって浮き上がって見える大気差、そして、日の出と日の入りの定義によって、昼のほうが長くなります。

    また、一年も春分、秋分で均等に分けられているのではなく、冬側の秋分~春分の日数の方が短いのです。これは地球の軌道が楕円で、1月初めころに太陽に最も近づき、このあたりの公転スピードが速くなるためです。日本の冬の時期、太陽に一番近いのは不思議な感覚ですが、四季は地軸の傾きによって生じています。正月明けの冬の太陽を見たときには、本当は夏よりも太陽が近いことを思い出してみては。


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    #土星#海王星#秋分の日

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    12 分
  • 一夜語Podcast~2025年9月前半の星空~
    2025/08/27

    2025年9月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:39

    2025年9月8日に皆既月食が起こります。8日の未明なので、7日の晩から準備をしましょう。欠け始め(部分食のはじまり)は午前1時27分頃、皆既(かいき:地球の影(本影)にすべて隠されている状態)となるのが2時半です。1時間23分ほど皆既が継続し、その後月の光は戻っていきますが、夜明けも近く、月も西の地平線へと沈みゆき見づらくなっていきます。

    次に日本でみられる皆既月食は来年3月3日の日没後、その次は2029年、新しい年が幕を開けた直後、元日の未明です。


    7:48

    土星が見ごろとなってきました。南東の空で並ぶ明るい星二つのうち、北側が土星です。今年は約15年に一度の土星環消失の年。幅の割に大変薄い土星のリングを真横から見る位置にきて、細い線が刺さったような姿で観察できます。土星らしくないものの、珍しい姿ですので、ぜひ機会を見つけて観察してみては。


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    #皆既月食#土星環消失

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    11 分
  • 一夜語Podcast~2025年8月後半の星空~
    2025/08/12

    2025年8月後半から9月前半にかけての星空案内です。


    0:36

    8月中旬から下旬の夜明け前には、明るくよく目立つ金星、木星が見え、8月19日に西方最大離角となる水星も低いところに見つけられます。そして20日、21日頃には細い月も加わって、「月、水、木、金」と平日の曜日の天体たちが集います。日々の位置関係の変化が肉眼で楽しめるので、早起きをしてご覧ください。


    3:41

    今年の旧暦7月7日、伝統的七夕の日は8月29日です。空高くに織女星・ベガと牽牛星・アルタイルが向かい合い、その中を流れるのが天の川。天の川の正体はたくさんの星の光、私たちの太陽系を含む2000億以上もの恒星が大きな集団を作る銀河系を中から見ている姿です。渦を巻いた円盤型の銀河系の、その中心から少し離れたところに太陽系があります。銀河系は回転しており、太陽系が一周するのにかかる時間は2億~2億5千万年ほど。これを1銀河年といいます。長い時間をかけて巡る太陽系の姿を想像しながら天の川を眺めてみては。


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    #伝統的七夕#天の川#銀河鉄道の夜#銀河年

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    13 分
  • 一夜語Podcast~2025年8月前半の星空~
    2025/07/27

    2025年8月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:45

    お盆のころに多くの流れ星がみられるペルセウス座流星群。今年は13日の明け方がピークとされます。夜半ころには東の空からペルセウス座が昇りますが、星座がわからなくても流れ星は空のどこにでも現れるので大丈夫。月明かりはあるものの、なるべく暗いところで観察すると、普段より多くの流れ星を見ることができます。くわえて、12,13日の明け方、東の空では明るい木星と金星が接近して見えます。日ごと位置関係が変わるので、早起きして毎日観察すると良い自由研究のテーマになるかも。


    5:25

    さそり座の心臓は赤い一等星のアンタレス。戦いの神アレスの名が含まれており、アレスは火星を示すことから、火星に対抗するもの、あるいは火星に似たもの、といった意味合いがありあます。どちらも赤い色が特徴ですが、火星は惑星で大地の色、アンタレスは恒星で表面の温度がそれぞれの赤さの理由です。アンタレスの表面温度は星としては低めの3~4000度ほど、星の寿命の最後の段階で、大きく膨らみ表面の温度が下がっています。宮沢賢治の銀河鉄道の夜では、蠍の火として登場。バルドラの野に棲む蠍が真っ赤な火になって、今でも燃えているといいます。物語をたどりながら、夏宵空を散歩してみては。


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    #ペルセウス座流星群 #銀河鉄道の夜 #蠍の火

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    11 分
  • 一夜語Podcast~2025年7月後半の星空~
    2025/07/12

    2025年7月後半から8月前半にかけての星空案内です。

    0:37

    宵涼みがてら空を見上げると、明るい一等星を手がかりにいくつもの星座を見つけることができます。天頂をはさんで西にうしかい座のアークトゥルス、東にはこと座のベガ、どちらも0等級の輝きです。ベガは、わし座のアルタイルとはくちょう座のデネブとともに夏の大三角を作ります。南の低い空には赤味がかったアンタレス、さそりの心臓。西の低空にはおとめ座のスピカ。これらから、てんびん座やへびつかい座、ヘルクレス座などをたどることができます。


    6:05

    準惑星の一つ、冥王星が衝を迎えます。とはいえ明るさは15等級なので、望遠鏡を使ってもまず見ることはできません。冥王星は1930年に発見され、2006年に惑星の定義が定められるまで惑星に数えられていました。かつては9つの惑星だったのです。また、その楕円軌道により1979年から1999年までは、第8惑星・海王星の平均距離(45億㎞)より太陽に近いところを回っていたので、惑星を「水金地火木土天冥海」と覚えている方もいるでしょう。現在はやぎ座に位置し、248年の時をかけて星空を巡る冥王星に思いを馳せてみては。

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    12 分