エピソード

  • 一夜語Podcast~2025年4月前半の星空~
    2025/03/27

    2025年4月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:38

    3月29日が新月、4月上旬は次第に満ちていく月が宵空に見えます。よく晴れていれば3月31日頃から細い月が西の空に現れますが、春の三日月は光っている膨らんだ側が下になり、お皿のようです。月の通り道である白道が地平線に対して垂直に近いからで、高さもあってよく目立ちます。秋になると白道が横たわり、三日月はバナナのように立てた形で低いところに見えるようになります。


    3:04

    4月13日は満月、これは今年一番地球から遠いところで起こる満月です。これをマイクロムーンと呼ぶこともあるようで、地球に近い満月のスーパームーンと対になっています。定義がないため正式な用語とは言えませんが、距離が異なるのは確か。月までの距離は平均で38万㎞あるものの、近い時には36万㎞を切り、遠い時には40万㎞を超えます。記憶だけで比べるのは難しいことですが、写真に撮るなどするとこの違いを確かめることはできます。


    5:36

    宵空に見える明るい惑星は火星と木星だけになりました。木星も少しずつ見ごろが終わりかけていますが、火星は星空の中を東へ東へと位置を変えていくので、夏が始まるころまで宵の空に残ります。東の空から昇ってくるのが、うみへび座。お正月の頃くらいしか気にされない今年の干支であるヘビを、この春の空でたどってみては。


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  • 一夜語Podcast~2025年3月後半の星空~
    2025/03/12

    2025年3月後半から4月前半にかけての星空案内です。


    0:35

    西の空に傾き始めた冬の星座たち。ベテルギウス、プロキオン、シリウスを結ぶ冬の大三角の中を流れるのは、冬側の天の川。天の川は星空を一回りしているので、どの季節でも夜のうちには見ることができます。天の川の正体は銀河系という渦巻円盤の形をした星々の大集団。太陽系は中心からずれたところに位置していて、中から周りを見渡すと円盤部分の星が集まって帯状に見え、これが天の川となります。冬側の天の川は縁の方を見ているので夏側に比べ淡いのは確か。月明りや街明かりを避けてご覧ください。


    5:23

    ふたご座の兄の星カストルは、望遠鏡で見ると2つに見える二重星です。重力的に結びついた連星という組ですが、なんとこの2つの星はそれぞれがさらに連星になっています。加えて、少し離れたところに別の連星があり、この連星は先ほどの連星同士の組の周りをまわっています。連星が二組、さらにもう1組の連星で合わせて6連星。肉眼でこれを見ることはできませんが、どんな世界が広がっているか、春の宵空で想像してみては。


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  • 一夜語Podcast~2025年3月前半の星空~
    2025/02/27

    2025年3月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:45

    宵の明星は3月半ば過ぎには日暮れ後の空から姿を消します。20日過ぎに内合(ないごう)となり、これを境として日没後の西空から夜明け前の東空に移るので、今年の春以降は明けの明星となります。この内合の時には地球と太陽の間をすり抜けていくわけですが、ぴったり重なると太陽面通過(日面通過)という現象が起こります。太陽面上を黒い金星の姿が通過しますが、大変まれな現象です。2004年、2012年に見られたものの、次は2117年、まだ90年以上先のこと。人によっては一生見ることができないこともある現象です。


    4:40

    木星がおうし座の角あたりで輝いています。近くには赤い瞳のアルデバランという一等星。このおうしの顔はまばらに星が集まったヒアデス星団という星の集まりです。散開星団(さんかいせいだん)という種類の天体で、おうしの肩あたりにあるプレアデス星団も同じ散開星団です。プレアデス星団の方が遠くにあるので小さく固まって見えます。また、ヒアデス星団のほうが星団としての年齢が上なので、時間経過とともにばらけてきたこともあり、同じ種類とはいえ見え方は異なっています。


    7:27

    プレアデス星団の和名はすばる。このすばるの星々が半月手前の月に隠される「すばる食」と呼ばれる現象が3月5日に起こります。双眼鏡で見ていると、月の光っていない夜の側にすばるの星が次々に隠されていくのがわかります。午後10時ころから夜半に月が沈むまでと時間はかかるので、じっくりご覧ください。恒星は遠くにある点と考えることができるので、隠れるときには一瞬で消えます。普段は気づかない、星空に対する月の動きを感じてみては。


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    10 分
  • 一夜語Podcast~2025年2月後半の星空~
    2025/02/12

    2025年2月後半から3月前半にかけての星空案内です。


    0:37

    日暮れ後の空では宵の明星・金星がよく目立っています。2月15日が最大光度で、条件が良ければ昼の青空の中でも見つけることができるほどですが、この先は徐々に太陽に近づいていきます。天頂近くには木星、東の空には火星も。火星は地球との距離が離れていくため次第に暗くなっていきます。


    2:52

    南の空に見えている冬の大三角。オリオン座のベテルギウスと、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで作る逆さまの三角形です。シリウスは-1.5等級と星座を形作る恒星の中では現在の地球から見て最も明るい星。2番目に明るいのは、りゅうこつ座のカノープスですが、南に低いため東北以北では見ることができません。北緯35度付近では高度が3度ほど。南の空がよく開けたところで時間を定めて探してみましょう。なかなか見られないため、南極老人星、見えれば縁起のよい星として知られています。


    6:50

    冬の星座は一等星が多くきらびやかですが、今年は木星と火星も加わり一層豪勢です。このうち、木星や火星は太陽系の惑星で自分では光らない天体。星座を作る星は恒星で太陽と同じく自ら光る天体です。惑星の世界は光の速さで数分~数時間程度であるのに対し、恒星の世界は年単位。一様に見える星空の中に、さまざまな距離からやってくる星の光を感じてみては。


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    11 分
  • 一夜語Podcast~2025年2月前半の星空~
    2025/01/27

    2025年2月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:39

    日暮れ後の空でよく目立つ金星。2月15日に最大光度となります。その明るさは-4.9等級、このくらい明るいと昼の青空の中に見つけることもできます。スマホのアプリなどで位置の見当をつけ、太陽光が直接目に入らぬよう物陰に隠れるなどして、青空の中に目を凝らすと白い光の点として見えます。この日に限らず、前後しばらくは観察チャンスの時期で、今は太陽の東側にあり昼以降に南の空で見つけることができます。空が澄んでいることも必要なので、よく晴れた日には挑戦してみてはいかがでしょう。


    04:26

    おうし座の肩のあたりにあるプレアデス星団。宵空では頭の真上近くにやってきています。肉眼でもぼんやりと光がにじみ、6つくらいの星が数えられるので六連星(むつらぼし)の名前も。和名で最も有名なのは、すばるです。統ばる、一つに集まる、といった意味からきた言葉で、平安時代の清少納言も「星はすばる・・」と枕草子に記しました。


    08:14

    星雲や星団を集めたカタログに、フランスのシャルル・メシエが作ったメシエカタログがあります。頭文字をとり、Mを付けて表記するもの、たとえばプレアデス星団はM45です。一部該当がないものもありますが、1から110まであるメシエカタログ、その中にはウルトラマンの故郷があるとされるM78も含まれます。オリオン座の三ツ星の近くにあり、反射星雲に分類される天体です。惑星があるような天体ではありませんが、宇宙のどこかにはそんな星があると想像しながら冬空を見上げてみては。

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  • 一夜語Podcast~2025年1月後半の星空~
    2025/01/12

    2025年1月後半から2月前半にかけての星空案内です。


    0:35

    日没後の南西の空には宵の明星・金星、ほど近いところに土星が見えています。1月中旬から20日過ぎにかけては、金星と土星が並びあい、日々位置関係が変わっていく様子もわかります。金星は-4.5等級ほど、土星は1等級ほどで、その差は150倍以上にもなります。また土星は今年、環を横から見る位置にきて、環が見えなくなる土星環消失となります。およそ15年に一度のことなので、次の土星環消失は2039年です。


    4:04

    東の空で目立つのは木星、おうし座の一等星・アルデバランと並び、色味の違いも楽しめます。まだ低く昇ったばかりの火星、こちらは赤みがかった色。今はふたご座のカストル・ポルックスの兄弟星と並び、さながら三つ子のようでもあります。


    5:33

    今年は宵空に4つの惑星が見えていますが、来年の同じ時期には火星と金星は見えなくなっています。太陽系の各惑星はそれぞれ回るスピードが異なり、星空の中での動きも違います。トラック競技で例えると、地球と横並びになってから、次に追いついて並ぶまでにかかる時間が会合周期。遠い惑星は動きが遅くて会合周期が1年に近く、ほぼ翌年でも同じように見えます。けれど地球に近い惑星は地球とスピード差がそれほどないため会合周期が長く、火星では2年2か月もあります。一年たつと、見えている位置がずいぶん変わってしまうのです。


    9:40

    東側に広がるのが冬の星座たち。明るい一等星が多く、冬の大三角、冬の大六角(冬のダイヤモンド)などの目印も作れます。今年はここに木星、火星の輝きが加わっているので、なお賑やかです。


    12:23

    1月20日が大寒、一番寒い時期です。1902年1月25日には郷里・旭川で日本の最低気温-41℃を記録しました。ただ次の二十四節季は2月3日立春です。暦では確かに春が近づくころ、凍てついた空の星の輝きを楽しんでは。


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    14 分
  • 一夜語Podcast~2025年1月前半の星空~
    2024/12/27

    2025年1月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:23

    2025年は巳年。星座にも“へび座”“うみへび座”“みずへび座”があります。医者のアスクレピオスがモデルのへびつかい座が持っているのがへび座、88星座の中で一番面積の広いうみへび座、天の南極に近く沖縄方面でも少ししか見られないみずへび座。うみへび座は春の宵に見やすく、うねうねと伸びるので一番へびらしいかもしれません。


    4:38

    干支は年賀状では大活躍ですが、日常生活で活きる干支もあります。お昼を表す正午、そして午前、午後。この「午」は干支のうま。0時がねずみで、12時が割り当たったのがうまだから。また方位も干支で表しており、北のねずみ(子)と南のうま(午)を結ぶのが子午線と呼ばれます。


    6:40

    1月4日0時ころをピークとするしぶんぎ座流星群が見られます。月明かりがなく条件は良いので、三が日明けの未明に挑戦してみてはいかがでしょう。


    7:24

    しぶんぎ、ろくぶんぎ、はちぶんぎ、これらは測量の道具です。四分儀は今はない星座ですが、六分儀、八分儀は88の星座に含まれています。


    8:17

    火星の観察シーズンがやってきました。今回は距離が遠めの小接近ですが、オレンジがかった色合いの火星は宵の東の空で目立ちます。2年2か月ごとに地球に接近する火星を望遠鏡で観察してみては。


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    11 分
  • 一夜語Podcast~2024年12月後半の星空~
    2024/12/12

    2024年12月後半から2025年1月前半にかけての星空案内です。


    0:25

    12月31日が大みそかです。旧暦では一か月の長さが29日か30日であり、30日は三十日、みそか。ここからみそかは月の最後の日を表すようになり、一年最後のみそかが大みそかです。なお、大晦日と書く「晦」の字は「つごもり」、月が欠けていって隠れる、月こもりの意味で、これも月の最後を表す漢字です。


    1:53

    一年は12か月、星空にも黄道12星座があります。誕生星座は、黄道一周360度を12で等しく分けた黄道12宮で決められ、この起点が春分点。ここから30度分が白羊宮、次が金牛宮、双子宮・・、と続きます。なので最初のおひつじ座生まれは春分の日となる3月21日あたりから始まります。


    5:43

    明るい4つの惑星がいちどきに見られるようになってきました。日没後には西の空に金星、南西の空に土星、東の空には木星、そしてほどなく火星が昇ってきます。12月下旬頃には火星が昇る時間も早くなってきて、西から東まで4つの惑星をたどることができるようになります。


    7:06

    星座の世界も夏から冬までを眺め渡せます。西の空に残る夏の大三角、はくちょう座は今の時期、頭を下に向けて飛ぶ格好となり、地平線の上に掲げられた十字架のよう。天頂あたりにはエチオピア王家物語の登場キャラクターが一面に、東の空からはオリオン座をはじめとしてきらびやかな冬の星座が続々昇ります。


    2024年が終わります。

    いつも変わらぬこの星空が、誰にも安らかに広がりますように。



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    13 分