• ボイスドラマ「星のりんご」

  • 2025/03/31
  • 再生時間: 13 分
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ボイスドラマ「星のりんご」

  • サマリー

  • 飛騨高山の小さな町、久々野。澄んだ空気と澄んだ水に育まれた、まるで星が宿ったような甘い果実——飛騨りんご。でも、この物語の主人公「りんご」は、名前に反してリンゴが大の苦手。香りさえも拒絶するほどのトラウマを抱えていた彼女が、ある“きっかけ”を通して、心の奥に眠る小さな記憶と向き合い、新しい自分を見つけていく。これは、ちょっと苦くて、でもとびきり甘い。まるで飛騨りんごのような、ひとりの女の子の小さな再生の物語。Podcast番組「ヒダテン!Hit’s Me Up!」をはじめ、各種配信プラットフォームや「小説家になろう」で楽しめるこの物語。あの頃の自分に、そっと寄り添いたくなるような——そんな“ひとくち”を、あなたに(CV:坂田月菜)【ストーリー】<『星のりんご』>【資料/久々野の飛騨りんご】https://www.kankou-gifu.jp/gourmet/detail_6365.html#:~:text=高山のりんごは酸味,りんごを生み出しています。[シーン1:12月頃/自宅のダイニングで/回想シーンあり】<りんごのモノローグとセリフで進行>「あ〜っ!!またリンゴ!もう〜ママ!何度も言ってるのに!アタシ、リンゴなんて嫌いだって!」ママが悲しそうな顔で笑う。しょうがないわねえ、と言いながら、クリアボウルに入ったリンゴを冷蔵庫に片付ける。アタシの名前はりんご。そう、自分の名前にもなっているのに、リンゴが嫌い。それも嫌いな理由かも。だって昔からリンゴが嫌いなんだもん。昔から・・・?昔、っていつ?アタシ、いつからリンゴが嫌いになったんだろう・・・幼稚園のとき、ママが作ったアップルパイ。一口食べたら、「においがピリピリする!」と言って吐き出してしまった。ママは、しょうがないわねえ、と言って自分で食べる。あ、そっか。ママの分はなかったんだ。今ならなんとなくわかる。シナモンの甘いけどスパイシーな香り。幼いアタシにとっては、お薬みたいに感じたんだっけ。あとからママが言ってた。飛騨リンゴは、ほかのリンゴより酸味が少なくて甘いのに。久々野は昼夜の気温差がおよそ10℃。この寒暖差で成熟したリンゴは、蜜が多くて、糖度が高いんだって。あれ?じゃあアタシ、どうしてリンゴが嫌いなの?小学校に入った年。学校の給食で、デザートに飛騨リンゴがでたとき。周りのお友達はみんな美味しそうに食べてた。私は・・・幼稚園のときのトラウマで食べられなかった。シナモンの香りが脳内にグルグルまわっちゃったから。でも・・・給食のリンゴには、シナモンなんて入ってなかったはず。確か10月の収穫時期だったから・・・旬のど真ん中だったのに。なんか、それだけじゃなかったような・・・あ、思い出した。グリム童話だ。「白雪姫」。私、小学校3年生までに、全210話の全集を読破したんだ。ってか、ママが読み聞かせ、してくれたんだけど。アタシが一番好きなお話は「赤ずきん」だったのにママが好きなのは「白雪姫」。何度も何度も読み聞かせてくれた。BGMに「いつか王子さまが」を流しながら。クスッ(笑)それで。 頭の中に刷り込まれちゃったワードが「毒リンゴ」。あ〜あ、ダメじゃん。だからアタシ、リンゴを食べたら、永遠に眠っちゃうって思い込んでた。王子さまにキスしてもらえば、目が覚めるのにね。だめだめだめだめ。なに考えてんの。ママに聞かれたら大変。ま、そんなこんなで、りんごの香りを嗅ぐだけで拒否反応が出るようになった。生のりんごはもちろん、りんごジュース、アップルパイ、ぜんぶダメ。久々野が誇る飛騨リンゴなのに。小学校を卒業するまで、給食の時間が憂鬱だった。そりゃそうでしょ。「りんごのまち」久々野だもん。給食にリンゴが出てくる頻度、高かったわー。中学校に入ると、最初の行事は文化祭。憧れの文化祭。アニメとかでは知ってたけど、参加するのは初めて。だけど、ここにもリンゴが降臨した。クラスのだしものは模擬店。テーマは「久々野の恵み」。地元の食材を使ったスイーツやドリンクを提供するって。嫌〜な予感。「飛騨りんごジュースを売ろう!」「アップルパイも作ったら?」くると思った。実家が果樹園って友だち、多...
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あらすじ・解説

飛騨高山の小さな町、久々野。澄んだ空気と澄んだ水に育まれた、まるで星が宿ったような甘い果実——飛騨りんご。でも、この物語の主人公「りんご」は、名前に反してリンゴが大の苦手。香りさえも拒絶するほどのトラウマを抱えていた彼女が、ある“きっかけ”を通して、心の奥に眠る小さな記憶と向き合い、新しい自分を見つけていく。これは、ちょっと苦くて、でもとびきり甘い。まるで飛騨りんごのような、ひとりの女の子の小さな再生の物語。Podcast番組「ヒダテン!Hit’s Me Up!」をはじめ、各種配信プラットフォームや「小説家になろう」で楽しめるこの物語。あの頃の自分に、そっと寄り添いたくなるような——そんな“ひとくち”を、あなたに(CV:坂田月菜)【ストーリー】<『星のりんご』>【資料/久々野の飛騨りんご】https://www.kankou-gifu.jp/gourmet/detail_6365.html#:~:text=高山のりんごは酸味,りんごを生み出しています。[シーン1:12月頃/自宅のダイニングで/回想シーンあり】<りんごのモノローグとセリフで進行>「あ〜っ!!またリンゴ!もう〜ママ!何度も言ってるのに!アタシ、リンゴなんて嫌いだって!」ママが悲しそうな顔で笑う。しょうがないわねえ、と言いながら、クリアボウルに入ったリンゴを冷蔵庫に片付ける。アタシの名前はりんご。そう、自分の名前にもなっているのに、リンゴが嫌い。それも嫌いな理由かも。だって昔からリンゴが嫌いなんだもん。昔から・・・?昔、っていつ?アタシ、いつからリンゴが嫌いになったんだろう・・・幼稚園のとき、ママが作ったアップルパイ。一口食べたら、「においがピリピリする!」と言って吐き出してしまった。ママは、しょうがないわねえ、と言って自分で食べる。あ、そっか。ママの分はなかったんだ。今ならなんとなくわかる。シナモンの甘いけどスパイシーな香り。幼いアタシにとっては、お薬みたいに感じたんだっけ。あとからママが言ってた。飛騨リンゴは、ほかのリンゴより酸味が少なくて甘いのに。久々野は昼夜の気温差がおよそ10℃。この寒暖差で成熟したリンゴは、蜜が多くて、糖度が高いんだって。あれ?じゃあアタシ、どうしてリンゴが嫌いなの?小学校に入った年。学校の給食で、デザートに飛騨リンゴがでたとき。周りのお友達はみんな美味しそうに食べてた。私は・・・幼稚園のときのトラウマで食べられなかった。シナモンの香りが脳内にグルグルまわっちゃったから。でも・・・給食のリンゴには、シナモンなんて入ってなかったはず。確か10月の収穫時期だったから・・・旬のど真ん中だったのに。なんか、それだけじゃなかったような・・・あ、思い出した。グリム童話だ。「白雪姫」。私、小学校3年生までに、全210話の全集を読破したんだ。ってか、ママが読み聞かせ、してくれたんだけど。アタシが一番好きなお話は「赤ずきん」だったのにママが好きなのは「白雪姫」。何度も何度も読み聞かせてくれた。BGMに「いつか王子さまが」を流しながら。クスッ(笑)それで。 頭の中に刷り込まれちゃったワードが「毒リンゴ」。あ〜あ、ダメじゃん。だからアタシ、リンゴを食べたら、永遠に眠っちゃうって思い込んでた。王子さまにキスしてもらえば、目が覚めるのにね。だめだめだめだめ。なに考えてんの。ママに聞かれたら大変。ま、そんなこんなで、りんごの香りを嗅ぐだけで拒否反応が出るようになった。生のりんごはもちろん、りんごジュース、アップルパイ、ぜんぶダメ。久々野が誇る飛騨リンゴなのに。小学校を卒業するまで、給食の時間が憂鬱だった。そりゃそうでしょ。「りんごのまち」久々野だもん。給食にリンゴが出てくる頻度、高かったわー。中学校に入ると、最初の行事は文化祭。憧れの文化祭。アニメとかでは知ってたけど、参加するのは初めて。だけど、ここにもリンゴが降臨した。クラスのだしものは模擬店。テーマは「久々野の恵み」。地元の食材を使ったスイーツやドリンクを提供するって。嫌〜な予感。「飛騨りんごジュースを売ろう!」「アップルパイも作ったら?」くると思った。実家が果樹園って友だち、多...

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