• 彗星はどこからやってくるのか

  • 2023/11/17
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彗星はどこからやってくるのか

  • サマリー

  • 解説は、國立中興大學 橋本さんです。 問題は「流星群と関係がある天体は次のうちどれか。」で、正解は彗星でした。 彗星について説明していきたいと思います。 私たちが住む太陽系を構成する天体には、恒星である太陽を中心に、惑星、準惑星と、太陽系小天体である小惑星、彗星、太陽系外縁天体などがあります。 彗星は、本体の大きさが数キロメートルから数十キロメートルの惑星から比べると、とても小さな天体です。成分は、そのおよそ8割が水(氷の状態)で、二酸化炭素、一酸化炭素、その他のガス、そして微量の塵(ちり)から成ります。 惑星の公転軌道は、黄道面と呼ばれる平面にほぼ沿っており、円に近い楕円を描きます。それとは対照的に、彗星の公転軌道は細長い楕円のものが多く、放物線や双曲線軌道を描くものもあります。放物線や双曲線の軌道の彗星は、太陽に近づくのは一度きりで二度と戻ってこない(回帰しない)彗星です。   さて、彗星はどこからやってくるのか 惑星とは異なる公転軌道をもつ彗星の供給源としては、 「オールトの雲」、「エッジワース・カイパーベルト」の2つが考えられています。   太陽系創成期には、原始太陽系円盤に存在していた微惑星が合体して惑星が作られたと考えられています。また、太陽から遠い場所にあった氷と塵は、混在して氷微惑星となりました。この氷微惑星のうち、大きく成長した惑星によって太陽系の外側へと散らされたものがオールトの雲に、海王星より外側の領域で惑星の成長途中で取り残されたものがエッジワース・カイパーベルトになったと考えられています。   オールトの雲は、太陽系の外側・太陽から数万天文単位付近をぐるりと大きく球殻状に取り囲む氷微惑星の集まりで、長周期彗星はここからやってくると考えられています。エッジワース・カイパーベルトは、氷微惑星が海王星軌道の外側にほぼ黄道面に沿った軌道で分布している場所で、短周期彗星はここからやってくると考えられています。いずれも、それぞれの場所にある氷微惑星が何らかの原因(惑星の引力)で軌道を変え太陽系の内側へ向かう軌道に変化し、やがて太陽に近づいて「コマ」や「尾」を持つ彗星へと姿を変えるのです。   このように太陽から遠く離れた冷たい場所をふるさととする彗星は、太陽系が生まれた頃の惑星形成時の情報をそのまま閉じ込めて、太陽に向かって進んでくるのです。 彗星が太陽に近づくほど本体から放出されるガスや塵の量が多くなるため、コマは明るくなり、尾も明るく長く伸びます。しかし、太陽に近づいた際に、どの程度明るくなるか、地球からどのように見えるかは、彗星本体のサイズや表面の状態、成分、さらに地球との位置関係によっても異なるため、正確な予測は難しいのです。 近年は、小惑星と認識されていた天体が、彗星のような蒸発活動が見られたために後から彗星とされたものや、逆に、彗星のような軌道を持ちながら蒸発が見られない小惑星のような天体も発見されています。最近では、小惑星帯の中にも、彗星活動を示す天体が見つかっています。このことから、彗星と小惑星の区別が次第にあいまいになっていると言うことができます。 彗星の名前には、発見者の名前が、発見・報告の早い順に最大で3名まで付けられます(一部例外もあります)。発見者名は、個人や観測グループ、天体観測衛星の場合などさまざまです。ただし、同じ個人やグループが複数の彗星を発見した場合などは、彗星が区別しにくくなります。そのため、個々の彗星を区別できるよう、正式には符号を付けることになっています。 彗星について、私自身、中高生のときに、彗星を美星町でよくみていました。友達と一緒に、流星をみることもしていました。 以上、解説は、國立中興大學 橋本さんでした。
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あらすじ・解説

解説は、國立中興大學 橋本さんです。 問題は「流星群と関係がある天体は次のうちどれか。」で、正解は彗星でした。 彗星について説明していきたいと思います。 私たちが住む太陽系を構成する天体には、恒星である太陽を中心に、惑星、準惑星と、太陽系小天体である小惑星、彗星、太陽系外縁天体などがあります。 彗星は、本体の大きさが数キロメートルから数十キロメートルの惑星から比べると、とても小さな天体です。成分は、そのおよそ8割が水(氷の状態)で、二酸化炭素、一酸化炭素、その他のガス、そして微量の塵(ちり)から成ります。 惑星の公転軌道は、黄道面と呼ばれる平面にほぼ沿っており、円に近い楕円を描きます。それとは対照的に、彗星の公転軌道は細長い楕円のものが多く、放物線や双曲線軌道を描くものもあります。放物線や双曲線の軌道の彗星は、太陽に近づくのは一度きりで二度と戻ってこない(回帰しない)彗星です。   さて、彗星はどこからやってくるのか 惑星とは異なる公転軌道をもつ彗星の供給源としては、 「オールトの雲」、「エッジワース・カイパーベルト」の2つが考えられています。   太陽系創成期には、原始太陽系円盤に存在していた微惑星が合体して惑星が作られたと考えられています。また、太陽から遠い場所にあった氷と塵は、混在して氷微惑星となりました。この氷微惑星のうち、大きく成長した惑星によって太陽系の外側へと散らされたものがオールトの雲に、海王星より外側の領域で惑星の成長途中で取り残されたものがエッジワース・カイパーベルトになったと考えられています。   オールトの雲は、太陽系の外側・太陽から数万天文単位付近をぐるりと大きく球殻状に取り囲む氷微惑星の集まりで、長周期彗星はここからやってくると考えられています。エッジワース・カイパーベルトは、氷微惑星が海王星軌道の外側にほぼ黄道面に沿った軌道で分布している場所で、短周期彗星はここからやってくると考えられています。いずれも、それぞれの場所にある氷微惑星が何らかの原因(惑星の引力)で軌道を変え太陽系の内側へ向かう軌道に変化し、やがて太陽に近づいて「コマ」や「尾」を持つ彗星へと姿を変えるのです。   このように太陽から遠く離れた冷たい場所をふるさととする彗星は、太陽系が生まれた頃の惑星形成時の情報をそのまま閉じ込めて、太陽に向かって進んでくるのです。 彗星が太陽に近づくほど本体から放出されるガスや塵の量が多くなるため、コマは明るくなり、尾も明るく長く伸びます。しかし、太陽に近づいた際に、どの程度明るくなるか、地球からどのように見えるかは、彗星本体のサイズや表面の状態、成分、さらに地球との位置関係によっても異なるため、正確な予測は難しいのです。 近年は、小惑星と認識されていた天体が、彗星のような蒸発活動が見られたために後から彗星とされたものや、逆に、彗星のような軌道を持ちながら蒸発が見られない小惑星のような天体も発見されています。最近では、小惑星帯の中にも、彗星活動を示す天体が見つかっています。このことから、彗星と小惑星の区別が次第にあいまいになっていると言うことができます。 彗星の名前には、発見者の名前が、発見・報告の早い順に最大で3名まで付けられます(一部例外もあります)。発見者名は、個人や観測グループ、天体観測衛星の場合などさまざまです。ただし、同じ個人やグループが複数の彗星を発見した場合などは、彗星が区別しにくくなります。そのため、個々の彗星を区別できるよう、正式には符号を付けることになっています。 彗星について、私自身、中高生のときに、彗星を美星町でよくみていました。友達と一緒に、流星をみることもしていました。 以上、解説は、國立中興大學 橋本さんでした。

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