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サマリー
あらすじ・解説
愛知県高浜市を舞台にしたボイスドラマです。 主人公は翔カケル=20歳。大学生。高浜生まれ高浜育ち。小さな町が退屈で仕方がない。大学卒業後、早く東京に出て行きたいと考えている Emilyエミリーは20歳。オーストラリアの大学生。翔の家をホストファミリーとしてホームステイをするためにやってきた。実はエミリーが高浜を選んだのには理由があった・・・(CV:桑木栄美里) 【ストーリー】 <シーン1/セントレアの空港ロビー> ■SE〜飛行機の離陸音〜空港ロビー6の音 『Nice to meet you!』 え? 女の子? 聞いてないよ〜 って、オレが聞かなかったんだっけ・・ 「Welcome to TAKAHAMA!」って 超恥ずいボードを持ってるオレ。 ホームステイする留学生を迎えにきたんだけど。 大学が休みの日でよかったぁ。 こんな姿、友だちに見られたら、なんて言われるか。 まあ、いっか。 どうせ来年はここにはいない。 卒業したら東京いくんだし・・ 『I’m Emily よろしくおねがいします』 「よ、よろしく カ、カ・・カケルです」 なんだ、日本語話せるんじゃん。 すこ〜し安心。 <シーン2/車内〜セントレアから高浜へ> ■SE〜shの車内の走行音 『にほん、きたかったです』 「そ、そうですか。 でもなんで?高浜なんて・・ 東京とか京都とか、もっといいとこいっぱいあるのに」 『たかはまにきたかったの。うれしい』 「見るところ、なんにもないですよ」 『どうして?カケルは、たかはまのひとじゃないの?』 「いや、正真正銘高浜生まれ、高浜育ちです」 『ふうん』 そう言いながら窓の方に顔を向ける。 車はちょうど衣浦大橋を渡り始めていた。 「wow!Great!』 エイミーの顔がゆっくりと後方へ回転する。 瞳には、夕陽が映える細長い海が映っていた。 「え〜、そうかなあ。 あんなん、海じゃないじゃん」 『great grandmaがいってたとおり』 great grandma? なんだっけ? え〜っと、グランマがおばあちゃんだから・・・ ひいおばあちゃん!? へえ〜、そうなんだ〜。 衣浦大橋を渡り終えたとき、 『あのきいろい たてものは?』 「やきものの里 かわら美術館だよ」 『やきもの?陶芸ですか?』 「そ、そうだよ」 『とまって。 とうげい、やりたいです』 「え〜。 寄り道してたら、また母さんに怒られちゃう」 『おねがい。カケル』 「あ〜もう。 ま、しゃあないか。母さん、ごめん」 でも、陶芸教室なんてやってたっけか? あ、日曜のみ開催。 ラッキー、じゃなくてアンラッキーだわ。 <シーン3/かわら美術館〜陶芸教室> ■SE〜陶芸教室〜電動ろくろの音 『awesome!』 陶芸、初めてって言ってた割に なんか、サマになってるなあ。 粘土を練る手つきとか、どうしてなかなか。 ちょ、オレよりうまいんじゃね。 へ〜、いつもYouTubeとか見てたんだ。 にしても、大したもんだわ。 ちゃんとマグカップになってるよ。 『とうげい、やってみたかったの』 「すごいよ。参加者の中で一番うまいんじゃないかな」 『Thank you!』 「焼き上がるまで2ヶ月くらいかかるから、できたら送ってあげるね」 『うれしい!つぎはおにがわらをつくってみたい』 次? また高浜に来るつもりなんだ・・ それにしても やきものって、こんなに人を幸せにできるんだな。 そういえばオレ、高浜で育ったのに やきもののこと、ちゃんと考えたことなかったわ。 興奮醒めやらぬエイミーを乗せて、吉浜の実家へ。 ちょうど菊まつりの準備で、人形小路には細工人形が飾ってある。 『あれはなに?』 「細工人形だよ」 『さいくにんぎょう?』 「え〜っと、crafted doll・・かな」 『Oh、crafted doll! たかはまのぶんか、ですね』 「そう・・・かな」 <シーン4/カケルの家〜仏間> ■SE〜おりんの音「ちーん」 実家にあがったエイミーは、なぜか仏壇の前へ。 さっきまでのような笑顔ではなく、まじめな表情。 目を閉じて手を合わせる。 ん?作法も知ってるのか? まてまてまて。 ちょっと。・・・泣いてる!? どういうこと? それに、母さんもなんでエイミーを仏間に通す? 仏壇の中には位牌と遺影。 ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが 仲良く肩を寄せて微笑んでいた。 オレだって会ったこともない2人...
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