山本周五郎「かあちゃん」
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遠藤
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山本 周五郎
このコンテンツについて
<内容紹介>
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
江戸の貧乏長屋で5人の子供を育てるお勝。亭主に先立たれたあと、女でひとつで子供を食わせている。涙脆くて気の良い、よく人の面倒を見る性格で、困っている人を見れば放っておけない性分だった。お勝は口が達者で大屋でも町役でもやり込める。その面倒見の良さでこの界隈で知らないものはいなかった。
ただ最近は様子がおかしい。ある男性が仕事場で足を挫き働けなくなってしまう。男性の母親は長く病気、小さい子供がまだ3人残されている。そこで長屋中が相談してお金を集めることに。気前よく出してくれる人が多い中、一家で働いているお勝だけは二十文足らずしか出さなかった。もう一帯の長屋を買えるほど稼いでいるはずなのに。
そんなある日、お勝は疲れの中、うとうとしていると勝手口の方で音が聞こえる。じっと聞いていたが正体が気になってそっと音の方へ向かい息を殺した。すると障子を隔てた向こう側で荒い呼吸が聞こえる。間も無く障子がスッと開いて抜き足で男が家に入ってきた。男は初めての泥棒なのか足は震え、歯と歯がかち合う音も聞こえていた。そこで「静かにしておくれ」とお勝は囁く。冷静に泥棒に対応すると相手は「金を出せ」という。そしてお勝は若き泥棒・勇吉に思いもかけない話を始めた。
<山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)>
1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。
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<あらすじ>
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