• 天文宇宙検定受験者インタビュー
    2023/11/24
    今回は、2023年11月19日(日)に全国で行われている天文宇宙検定。岡山県の会場では、天文宇宙検定3級と4級の受験会場として美星天文台で行われました。検定を受け終わった方のインタビューをお送りいたします。天文宇宙検定としての番組はここで一旦終了となりますが、新番組「ソラジオトーク from OKAYAMA」として天文・宇宙をテーマに岡山から発信していきます。放送時間の変更はなく、毎週金曜日 19時55分~20時 放送後は、ポッドキャストとして詳しい解説を行っていきます。個性豊かな専門家の話。引き続き、番組をよろしくお願いします。
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  • 彗星はどこからやってくるのか
    2023/11/17
    解説は、國立中興大學 橋本さんです。 問題は「流星群と関係がある天体は次のうちどれか。」で、正解は彗星でした。 彗星について説明していきたいと思います。 私たちが住む太陽系を構成する天体には、恒星である太陽を中心に、惑星、準惑星と、太陽系小天体である小惑星、彗星、太陽系外縁天体などがあります。 彗星は、本体の大きさが数キロメートルから数十キロメートルの惑星から比べると、とても小さな天体です。成分は、そのおよそ8割が水(氷の状態)で、二酸化炭素、一酸化炭素、その他のガス、そして微量の塵(ちり)から成ります。 惑星の公転軌道は、黄道面と呼ばれる平面にほぼ沿っており、円に近い楕円を描きます。それとは対照的に、彗星の公転軌道は細長い楕円のものが多く、放物線や双曲線軌道を描くものもあります。放物線や双曲線の軌道の彗星は、太陽に近づくのは一度きりで二度と戻ってこない(回帰しない)彗星です。   さて、彗星はどこからやってくるのか 惑星とは異なる公転軌道をもつ彗星の供給源としては、 「オールトの雲」、「エッジワース・カイパーベルト」の2つが考えられています。   太陽系創成期には、原始太陽系円盤に存在していた微惑星が合体して惑星が作られたと考えられています。また、太陽から遠い場所にあった氷と塵は、混在して氷微惑星となりました。この氷微惑星のうち、大きく成長した惑星によって太陽系の外側へと散らされたものがオールトの雲に、海王星より外側の領域で惑星の成長途中で取り残されたものがエッジワース・カイパーベルトになったと考えられています。   オールトの雲は、太陽系の外側・太陽から数万天文単位付近をぐるりと大きく球殻状に取り囲む氷微惑星の集まりで、長周期彗星はここからやってくると考えられています。エッジワース・カイパーベルトは、氷微惑星が海王星軌道の外側にほぼ黄道面に沿った軌道で分布している場所で、短周期彗星はここからやってくると考えられています。いずれも、それぞれの場所にある氷微惑星が何らかの原因(惑星の引力)で軌道を変え太陽系の内側へ向かう軌道に変化し、やがて太陽に近づいて「コマ」や「尾」を持つ彗星へと姿を変えるのです。   このように太陽から遠く離れた冷たい場所をふるさととする彗星は、太陽系が生まれた頃の惑星形成時の情報をそのまま閉じ込めて、太陽に向かって進んでくるのです。 彗星が太陽に近づくほど本体から放出されるガスや塵の量が多くなるため、コマは明るくなり、尾も明るく長く伸びます。しかし、太陽に近づいた際に、どの程度明るくなるか、地球からどのように見えるかは、彗星本体のサイズや表面の状態、成分、さらに地球との位置関係によっても異なるため、正確な予測は難しいのです。 近年は、小惑星と認識されていた天体が、彗星のような蒸発活動が見られたために後から彗星とされたものや、逆に、彗星のような軌道を持ちながら蒸発が見られない小惑星のような天体も発見されています。最近では、小惑星帯の中にも、彗星活動を示す天体が見つかっています。このことから、彗星と小惑星の区別が次第にあいまいになっていると言うことができます。 彗星の名前には、発見者の名前が、発見・報告の早い順に最大で3名まで付けられます(一部例外もあります)。発見者名は、個人や観測グループ、天体観測衛星の場合などさまざまです。ただし、同じ個人やグループが複数の彗星を発見した場合などは、彗星が区別しにくくなります。そのため、個々の彗星を区別できるよう、正式には符号を付けることになっています。 彗星について、私自身、中高生のときに、彗星を美星町でよくみていました。友達と一緒に、流星をみることもしていました。 以上、解説は、國立中興大學 橋本さんでした。
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  • 火星にある極冠の氷は、主に何でできているか?
    2023/11/10
    解説は、国立天文台 縣さんです。問題で「火星にある極冠の氷は、主に何でできているか?」で、正解は、「二酸化炭素」でした。火星とは、どんな惑星でしょうか?〇火星は、地球の一つ外側を公転している惑星〇太陽から約2億2800万km離れている(地球は、約1億5000万km離れています。)〇地球が太陽の周りを1年(365日)をかけて1周公転しているのに対して、火星は、約1年11ヵ月(687日)〇自転周期は、地球では約23時間56分、火星は約24時間37分〇火星には四季の変化があります。四季があるということは、地球と同じように自転軸を傾けながら太陽の周りを公転している〇火星は、地球と同じように表面が岩石でできた岩石惑星または、地球型惑星と呼ばれます。〇火星の直径は、地球の約半分、重さは、質量でいうと約10分の1。質量が小さいため、重力・引っ張る力が弱くなるため、たくさんの大気を蓄えることが難しい。大気がある惑星とはいえ、金星や地球に比べて大気の量が少なく、薄い大気しかない。〇大気圧は、地球と比べると約1000分の6、つまり地球の100分の1以下となります。人類では、すぐ窒息してしまう。〇大気の成分は、金星と同じく「二酸化炭素(CO2)」が主成分。〇火星の表面は、赤っぽくみえる。これは、ほとんど砂漠のような場所。砂嵐が頻発するため、火星の表面の砂(赤っぽい砂)が舞い上がり周辺を覆い、赤っぽくみえる。赤っぽくみえる成分は、大気の中にあるごくわずかな酸素によって岩石中の鉄が、酸化した、酸化鉄(鉄さび)によるものです。〇火星の極冠、これは、地球でいう「北極」「南極」と似たようなイメージですが、火星も四季があり、極端に極冠の大きさが変わります。地球上では、北極・南極の氷の面積が、季節によって極端に変化することは、ありません。ただし、地球の氷の成分と火星の氷の成分は異なります。火星は、水が凍った氷ではなく、見えている極冠は、二酸化炭素でできています。二酸化炭素の氷のことを「ドライアイス」といいます。極冠の主成分は、「ドライアイス」。四季の変化で蒸発したり、凍ったり、つまり、大きくなったり、小さくなったりする。〇火星の自転軸約25度・地球は、約23.4度とよく似ている〇極冠(ドライアイス)部分の地下に「水」が凍った氷も存在していることが探査機の調査によってわかっています。〇火星の周りには、地球の月と同じように、衛星がある。火星には、二つの衛星「フォボス」と「ダイモス」この二つの衛星は、極めて小さい。他の惑星にも同様に衛星があるが、月のように大きな衛星は、異常に大きいともいえる。〇「フォボス」と「ダイモス」はいびつな形をしている。表面の様子を撮影(分光(虹色に分けるスペクトル観測))・分光観測をしてみると火星と木星の間に存在している小惑星によく似ている。おそらく、火星に接近した際に、火星の重力にとらえられて公転するようになったのでは?考えられていました。火星との距離は、「フォボス」約6000km 「ダイモス」約2万km〇JAXAでは、2024年に「フォボス」に向けて探査機を飛ばす計画です。「MMX」と呼ばれる探査計画で、表面の物質や内側の物質を持ち帰るサンプルリターン小惑星「イトカワ」や「りゅうぐう」よりもさらに遠い場所にある火星の衛星「フォボス」で行う。サンプルリターンによって「フォボス」が・どのようにできた天体なのか?・なぜ火星の周りをまわっているのか?火星自身がどのように形成されたのか?・火星には生命がいる可能性があるのか?このようななぞの解明に日本のJAXAが挑戦します。〇火星は、地球よりも早く進化した惑星と言われています。およそ46億年前に形成された惑星。45億年前から39億年前の時代地球と同じように表面は、海で覆われていたことが、ほぼわかっています。では、当時大量にあった水はどこへ行ってしまったのか?火星は、地球の10分の1の質量しかないため、そのいくつかは大気中へ逃げてしまったことでしょう。しかし、「氷」の存在「メタン」の存在が、生命が存在していると考える学者もいるくらいです。ただし、確実な証拠は...
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  • 公式に認められている星座の数はいくつあるか?について
    2023/11/03
    解説は、日本スペースガード協会 藤原さんです。 問題の「公式に認められている星座の数はいくつあるか」で、正解は88個でした。   太古の昔から、人々は天上に広がる果てしない宇宙を見上げてきました。 夜空に輝く星を見て、洪水の時期や穀物の収穫時期を知ったり、また星の方向を頼りに大海原へ船を漕ぎだしたりと、人間の営みは星と深く結びついていました。 更には星の並びに想像を巡らせ、星と星を繋いで神々や動物などに見立て、名前をつけていました。これが後に「星座」と呼ばれるものになりました。   北半球で見られる星座の発祥は、4000年~5000年前のメソポタミア地方です。バビロン近郊で発見された粘土板には、「さそり座」や「ペガスス座」といった星座の絵が描かれています。海洋民族フェニキア人の地中海交易を通じてそれらがギリシャへ伝えられると、神々や英雄の物語と結びついて星座の神話が成立しました。  紀元前8世紀のホメーロスの叙事詩、「イーリアス」と「オデッセイア」には 「オリオン座」や「うしかい座」「おおぐま座」といった星座が登場します。このようにギリシャ神話と結びついた星座はプトレマイオス星座とも呼ばれています。 プトレマイオスは48個の星座の1022個の恒星の観測記録を「アルマゲスト」という本にまとめました。 この本は天文学の本としては現存する最古のもので、ここに記録された48の星座は「プトレマイオスの星座」と呼ばれるようになりました。 なお、トレミーの星座と表記されることもありますが、トレミーとはプトレマイオスの英語読みです。現在使われているのは47星座で、「アルゴ座」だけは使われていません。 「アルゴ」とはギリシャ神話に出てくる船の名前です。 非常に大きな星座だったため、後にりゅうこつ座、とも座、ほ座、らしんばん座の4つに分割されました。  また、南半球から見える星座は、16世紀以上の大航海時代につくられました。当時の航海で使われた最新の科学技術機器や発明品、ヨーロッパの人たちが初めて目にする珍しい動物などが新たに星座として加わりました。北半球にいる私たちは、なかなか聞きなれないですが、「望遠鏡座」「コンパス座」「カメレオン座」といった星座があります。一方、中国を中心とする東アジアでは、西洋とまったく異なる星座が使われていました。今から2500年ほど前に皇帝を中心とした官僚制度や社会を反映させた星座がつくられました。当時の中国には、地上の世界を天に投影させるという思想があり、空全体を一つの国家として見立てていたのです。日本でも古代から江戸時代までこの星座がつかわれていて奈良県の「キトラ古墳」や「高松塚古墳」では、中国の星座が描かれた天文図が発見されています。 「星座」の決め方は、20世紀初めまで世界共通のルールがなく、数も名前も、国や地域、時代によりまちまちでした。 現在私たちが使っている星座は、その名称とラテン語名からとったアルファベット3文字の略符、星座の境界線が国際天文学連合IAUによって学術的に決められていて、その数は88個あります。 1つ1つの星座には決められた空の領域があり、全ての天体は必ずどこかの星座の領域に属します。   私たちが普段「北極星」「北斗七星」「すばる」といった呼び方は、実は星座の名前ではありません。 北極星はこぐま座の星、北斗七星はおおぐま座の一部、すばるはおうし座にある星団の名前です。   また、星占いでよく見かける12星座は、元々天文学的に重要な意味を持っていました。これらの星座は地球から見た太陽の天球上の通り道である黄道に沿って並んでいて、太陽や月、惑星の位置を示す基準として使われていました。 厳密にいうとへびつかい座も黄道にかかっているのですが、へびつかい座は黄道12星座には含まれません。 黄道12星座の始まりはおひつじ座ですが、歳差運動といって地球の自転軸が約2万6千年の周期でゆっくり首振り運動をしているため、基準点が少しずつずれ、現在はうお座に移動しています。 太陽は1年かけて12の星座をひとめぐりするのですが、一つ一つの星座が占める...
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  • 太陽系の惑星で2番目に小さい惑星は?
    2023/10/27
    解説は、岡山天文博物館 大島さんです。今回の問題は「太陽系の惑星で2番目に小さい惑星は?」でした。太陽の周りをまわっている天体は数多くあるのですがそのうち次の条件を満たすものを「惑星」と呼びます。1つ目太陽の周りをまわっているこれを公転しているといいます。2つ目十分大きな質量を持っており、自分自身の重力によってほとんど丸い球の形になっている3つ目自分の公転軌道に他の惑星がない太陽系でこれらの条件を満たす惑星は、8つあります。太陽に近いところから水星→金星→地球→火星→木星→土星→天王星→海王星 です。水金地火木土天海「すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい」と覚えた方も多いのではないでしょうか?これら8つの惑星を直径の大きい順に並べると木星→土星→天王星→海王星→地球→金星→火星→水星 となります。これらは、「も・どっ・て・かい・ち・きん・か・すい」といったところでしょうか?惑星の特徴をみていくと水星・金星・地球・火星は、主に岩石でできている岩石惑星で地球型惑星と呼ばれます。木星・土星は、主にガスでできていて、巨大ガス惑星。天王星・海王星は、主に氷でできていて、巨大氷惑星で、これらは、木星型惑星と呼ばれます。なお、天王星と海王星は、天王星型惑星と呼ばれる場合もあります。今回の問題に登場した惑星の特徴を紹介します。”水星”水星の地表の様子は、月と同じように多くのクレーターに覆われています。一番太陽に近い軌道を公転している上に、大気がほとんどなく、自転周期が約2カ月昼と夜がそれぞれ1カ月ずつ続きます。強烈な日光を浴びて昼の表面温度は、約430℃にも達します。一方夜には、熱が宇宙空間に逃げてしまい、約マイナス170℃まで冷え込みます。昼と夜の温度差が約600℃もある過酷な環境の惑星です。”金星”金星は、地球のすぐ内側を約7カ月の周期で公転しています。不思議なことに自転の向きが他の惑星と反対で約8カ月かけてゆっくり自転しています。地球の双子星と呼ばれるほど、大きさも重さも地球とよく似ており、その内部構造も地球とほぼ同じであると考えられています。金星には、非常に分厚い大気があり、地表での大気圧は地球の約90倍。成分のほとんどが、二酸化炭素です。二酸化炭素による温室効果が働き、表面温度は、昼も夜も約460℃にもなりこれは、水星よりも高い値です。上空には、濃い硫酸の雲が何キロメートルもの厚さで広がっていたり秒速100メートルの強風が吹いていたりします。美の女神「ビーナス」の名前をもつ金星ですが、その環境は、なかなか強烈です。地球から見える金星は、一際明るく夕方か明け方の空で存在感を放ちます。明るいときは、マイナス4等級以上にもなり、宵の明星・明けの明星と呼ばれます。”火星”火星は地球の一つ外側を公転している惑星で太陽から約2億3千万キロメートルの軌道を約2年かけて1周しています。自転周期は、地球とほぼ同じくらいです。直径は、地球の約半分で質量は、約10分の1と小さく、重力も約40%ほどしかありませんが二酸化炭素を主成分とするごく薄い大気を持っています。地表が赤っぽくみえるのは、鉄がサビてできる酸化鉄を多く含んでいるためです。火星の北極と南極には、水の氷や二酸化炭素でできた氷(ドライアイス)極冠と呼ばれる白くみえる部分があります。気温は、約マイナス130℃から約30℃です。厳しいとはいえ、太陽系の惑星の内、地球以外で唯一人類が降り立つことが可能な環境といえるかもしれません。先日インドの無人探査機が月面着陸に成功して、地中の温度や成分の測定に成功したニュースもありました。現在進行中のアルテミス計画では、月だけでなく火星にも宇宙飛行士を送り込むという計画もあるようなので、今後の展開が楽しみですね!最後に”海王星”海王星は、太陽系の中では、4番目に大きな惑星ですが、太陽から地球までの距離の約30倍も離れているため、肉眼では見せません。地球の約4倍の半径をもち、質量は、地球の約17倍、公転周期はとても長く約165年です。太陽からの距離がとても遠いため、...
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  • 双眼鏡を使うときのコツ
    2023/10/20
    解説は、日本スペースガード協会 西山さん天体観測に使う双眼鏡と天体望遠鏡の違いについてです。 どちらも「遠方にある天体を観測するための装置」ということでは同じものです。 大きく異なるのは、天体望遠鏡は片目でのぞくのに対し、双眼鏡はその名の通り両目でのぞく、ということです。普段モノをみるのと同じように両目を使うため、片目で見るより自然で疲れにくく、遠近感や立体感を感じることができるのも双眼鏡の魅力です。 また、一般的に双眼鏡は片手で持てる程度の大きさ、重さで、星空をながめたいと思った時に、気軽に家から持ち出して使うことができるコンパクトさも特徴であり、天体望遠鏡との違いといえます。   望遠鏡の性能を表す指標の一つに"倍率"があります。 天体望遠鏡が20倍、100倍、さらに200倍などの倍率で使われることがあるのに対して、 双眼鏡は7倍、10倍、20倍といった比較的倍率の低いものが一般的です。 望遠鏡を使って夜空を楽しむのに、必ずしも高倍率の方が良い、ということはありません。 倍率が高くなれば小さい天体をより大きく拡大してみることができるようになりますが、低い倍率であれば、大きく広がった天体全体の姿を楽しむことができます。倍率は観測の目的にあったものを選ぶことが大切です。 例えば、木星や土星などの惑星を楽しむにはある程度の倍率が必要ですので、天体望遠鏡が適しているといえます。一方、日本では「すばる」とよばれているおうし座の「プレアデス星団」や「ヒアデス星団」、ペルセウス座の2重星団など、大きく広がった天体は、天体全体をひとめで眺める見ることができる双眼鏡が適しているといえます。   次におすすめの双眼鏡についてです。 天体観測に適した双眼鏡としてよく言われるのが7倍50mmの双眼鏡です。7倍は倍率のことで、50mmはレンズの直径です。もっと大きなレンズ、直径10cmや20cmといったものもあります。レンズが大きくなればそれだけ暗い星や淡い天体を見ることができるようになってハッピーなのですが、そのような双眼鏡は大きく重くなってしまいます。逆にもっとレンズが小さくコンパクトなものもありますが、やはりその分みることができる天体が少なくなってしまいます。星空が見たい!とおもいたったら気軽に持ち出して楽しめるコンパクトさとレンズのサイズがほどよいバランスの双眼鏡、それが7倍50mm程度というわけです。   次に、私なりの双眼鏡の楽しみ方をふたつほど。 天体観望会では、星雲や星団など目的とする天体を決めて、その方向に双眼鏡や望遠鏡を向け、その姿を観察して楽しむ、というのが一般的です。双眼鏡の楽しみ方のひとつめとして私がおすすめなのは、あえて目的とする天体を決めずに、自分の好きな方向に双眼鏡を向けてただその見えた星空を眺めて楽しむ、というものです。星空のいろいろな方向を眺めてみると、肉眼では見えなかったたくさんの星や天体があることがわかります。特に星が多く存在する天の川付近では、いろいろな形の星雲や星団をたくさんみつけることができます。双眼鏡を天の川に沿って動かしていけば、見知らぬ天体や無数の星々の存在に、宇宙の大きさや広さを実感すること間違い無しです。また、そうやって見つけた天体の中から、気になったものについては、ネット検索などで正体を確認するのもいいでしょう。自分のお気に入りの天体として、きっと名前と見える位置を覚えることができるのではないでしょうか。次回、星空観察するときの楽しみの一つになると思います。   次に、双眼鏡の楽しみ方のふたつめです。「双眼鏡を使うときのコツ」として、しっかり固定する、がありました。 手で持つ場合は脇をガッチリ占め、やや足を広げて体が揺れないようにする。カメラ三脚に固定する、という方法もあります。ただその固定が難しい方向もあります。それが真上、頭の上の方向です。 双眼鏡を真上に向けるには、双眼鏡を頭の上に持ち上げ、首を精一杯曲げる姿勢が必要で、腕にも首にも無理のあるこの姿勢を長く続けるのは思いのほか大変です。双眼鏡をカメラ三脚に...
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  • 太陽メガネは絶対よ!太陽の光の成分・要素とは?
    2023/10/13
    解説は、岡山天文博物館 粟野さん問題にあった「太陽を見るには、太陽メガネを使う」ですが、太陽の光には、いったいどんな成分・要素があるのでしょうか?太陽からは電磁場と呼ばれるいろいろな光の仲間が出ています。目に見える光は、可視光線と呼ばれるが、この光だけではなく、「ガンマ線」「X線」「紫外線」「赤外線」「電波」などが含まれていて地表には、紫外線の一部や可視光線・赤外線の一部が届いています。では、どの光が目にダメージを与えるのか。「紫外線」といえば、日焼け実は、目も日焼けをするのです。目に紫外線を浴びると角膜のダメージにつながり目が充血したり、痛くなることがあります。ひどくなると、白内障につながることもあるので、要注意です。また、紫外線を察知した脳は、防御反応により体内にメラニン色素を生成するため肌の日焼けにもつながることがわかっています。最近は、紫外線と可視光線の境目にある「ブルーライト」もエネルギーが強く目によくないことがわかってきましたね。もう一つは、「赤外線」赤外線といえば、赤外線ヒーターなど暖房器具に使われる光の仲間で身の回りにもありますが、この「赤外線」は、紫外線と比べてあまりエネルギーは強くはありませんが、目や肌の奥深くへ光が届いてしまうため長く浴び続けていると目や体の内部までダメージを与えてしまうことが、わかっています。「紫外線」「赤外線」も目には見えないため目でみて眩しくないけれど、決して安全ではない。ということを覚えておいてください。太陽からは、いろいろな光が届いているので、それぞれの光で観察すると普段見ることができない激しく活動している太陽の姿を見ることもできます。岡山天文博物館にある太陽望遠鏡では、Hα(エイチアルファ)という赤い光だけを通すフィルターを使って観察をしていますがこれで見ると、なんと、太陽からたくさんのガス・プロミネンスが噴き出している様子がみえます。これは、プロミネンスがHα(エイチアルファ)という赤い光をたくさん出しているため、よく見えます。太陽は今、元気いっぱいの活動期に入っています。ぜひ、岡山天文博物館にて本物(太陽望遠鏡)を見に来てください。以上解説は、岡山天文博物館 粟野さんでした。
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  • 地球に近い星団の話
    2023/10/06
    解説は、日本スペースガード協会 西山さん 問題にあった 「次のうち地球の一番近くにある星団は、どれか。」 でしたが、正解は、ヒアデス星団でした。   地球からヒアデス星団までの距離は、およそ150光年で、年齢約6億年。 おうし座に位置する散開星団で、1等星アルデバランの近傍に広がるV字形の星の集団で、おうし座の顔の位置にあります。日本ではその形状から釣鐘星(つりがねぼし)と呼ばれて2007年には日本の国立天文台を中心とする研究グループによって、星団を構成するおうし座ε(イプシロン)星に木星のような巨大なガス惑星が発見されました。   次に近い、星団でおうし座のプレアデス星団は、 地球から約400光年(よんひゃく)の距離にある散開星団です。日本では、「すばる」(昴)という和名でも知られています。この星団は地球に最も近いメシエ天体であり、最も明るい星団です。プレアデス星団は、燃焼が激しいため寿命が短く、あと1,000万年ほどで消滅するとの予想があります。   ケンタウルス座オメガ星団は、 地球から約17,000光年(いちまんななせん)の距離にあり、約1,000万個の恒星からなる大型の球状星団です。明るさは3.7等級と明るく肉眼で見ることができる数少ない球状星団のひとつです。しかしながら、南の低い位置にあるため、冬のカノープスと同じく見るのが困難な天体で、もっとも高くのぼった時でも、地平からの角度が九州で約10 度、沖縄でも約15度にしかならず、カノープスと同じく関東より北の地域では見ることができません。 この巨大球状星団は他の球状星団と異なる性質をもっていることがわかっており、そのことから、過去に、小型銀河がわれわれの銀河系により破壊され、その中心核部分が、このオメガ星団として残っている、との説があります。   最後に、M13は、 ヘルクレス座にある球状星団です。ヘルクレスの胴体にあたるη(イータ)星とζ(ゼータ)星の間にあり、北天で最大かつもっとも美しい球状星団といわれています。 太陽系から約22,000光年離れており、数十万個の星からなります。肉眼では星雲状に見えますが、双眼鏡や天体望遠鏡でみると、中心部の星が集中している様子がわかります。日本では南中するとほぼ天頂付近までのぼるため、条件の良い日には小口径の天体望遠鏡でも密集した星の様子を楽しむことができる見応えのある天体です。   解説は、日本スペースガード協会 西山さんでした。
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