エピソード

  • 少年漫画で上手に描くべきポイントは「質量」と「機構」! 他ジャンルとのアドレナリン要素の違い #178
    2025/02/05

    大人の読者も非常に多い少年漫画ですが、本当の読者層である「少年」は何を楽しみに漫画を読むのか? 何に対してアドレナリンが刺激されるのか? その答えは、シンプルに「質量」そして「機構」なのではないでしょうか。 とりあえず何かデカいものが動いている、逆に小さいけど非常に質量が高いことを感じさせる何かが登場する等、質量の存在は他ジャンルより明らかに重視されているように思われます。 さらに、それらのエネルギーを生み出す仕組みや機構といったものが詳細に説明されているかどうか、世界観やディティールにしっかり落とし込まれているかどうか。 感情よりもまず先に、このあたりを上手に描けているかどうかこそが、少年の心を掴む一番のポイントになってくるのではないでしょうか。 そんなわけで今回は、少年のテンションは何によって爆上がりするのかについて、中年2人がじっくり考えていきたいと思います!

    続きを読む 一部表示
    34 分
  • 良い話が描けても、売れるまでは至らないシンプルな理由とは?「エンターテイメントの踊り場」の壁 #177
    2025/02/03

    漫画を描き始め、ある程度努力したことで「良い話が描ける」までは到達できたものの、その先にある「お金を払ってでも読んでもらえる作品が描ける」の壁が、どうしても超えられない・・・。 このラジオを聴いてくれている方には、特に多いお悩みではないでしょうか。SNSなど無料で読まれる場所では「等身大」「普通」のエピソードなどがバズることもありますが、商業でいえばやはり「キャラクター」が全て。 キャラだけで売れてるように見える作品も、当然ながらいろいろな設定や計算がありますし、逆にストーリーだけで売れる作品なんていうものは、漫画ではほとんど存在しません。だからこそ、キャラの重要性と難しさを再認識し、壁を越えるためのキャラを創っていく必要があります。 そんなわけで今回は、「エンターテイメントの踊り場」の存在について考えていくとともに、本日より募集開始のコルクマンガ専科第11期で乗り越えたい壁を紹介&宣言していきます!

    続きを読む 一部表示
    30 分
  • 令和の漫画に求められるスキルは、上手な「邪魔の仕方」? 許されないストレスと必要な困難の違い #176
    2025/01/31

    令和を迎え、漫画の展開や表現において感じられる大きな変化。それは「ネガティブ」な感情や登場人物が描かれる機会の減少、あるいは回収の速さではないでしょうか。例えば恋愛系漫画における恋のライバル的存在の役割・機能は、以前と明らかに異なるように思われます。 心の痛みや苦しさを感じさせる要素が少ないほど好まれる傾向は強まりましたが、例えば敵が強い系の困難はずっと変わることなく支持されています。こうした許されるストレス・許されないストレスの違いは、どこにあるのでしょうか。 タイパ意識や一気見する視聴習慣、SNS影響などいろいろな要因から、エンタメコンテンツで描かれるストレスへの許容性は下がっているように思われます。一方で、主人公の叶えたいことを阻害する強い要素がなければ、そもそも物語が成立しなくなってしまいます。 こうした矛盾にも近い状況においては、邪魔に見えない上手な邪魔の仕方のようなものが、漫画を描くうえでの重要なテクニックになるのかもしれません、 いまだ週間・月間といった「連載ありき」のサイクルが前提となっている稀有なエンタメである漫画コンテンツにおいて、最適なストレスの与え方とは一体どのようなものなのか? 今回も、特に答えのないテーマについてじっくり考えていきます!

    続きを読む 一部表示
    41 分
  • 受動的ではない能動的な感情を描こう! 物語を進める刺激や変化は「人間関係」があるから生まれる #175
    2025/01/29

    漫画における「感情」は、主人公の願いや想いが叶わないほどに強くなります。だからこそ、願いや想いを叶えるための壁となる役割、あるいは気づきを与える存在として、主人公以外のキャラクターが必要になります。 もちろん主人公を描くだけでそれが表現できるなら問題ないのですが、物語を進める要素となる刺激や変化は、結局のところ「人間関係」に起因することが大半です。主人公以外の言動や行動があるからこそ、主人公のやりたいことも明確化できるようにもなります。 意識しなければならないのが、主人公の「能動的な感情」を描くことの難しさ。何か大きな事件が起き、それに対してのリアクションを描くところまでは簡単なのですが、それは「受動的な感情」でしかありません。 そして能動的に感情をあらわすためには、やはり自分以外の誰かとの人間関係が必要になるのです。 そんなわけで今回は、主人公と主人公以外の登場人物の関係性や役割・機能といった部分についてしっかり考えていきたいと思います!

    続きを読む 一部表示
    28 分
  • 少年誌と「真逆」の考え方が求められる主人公の創り方とは? ホラーが異質なジャンルである理由 #174
    2025/01/27

    愛や感動といった「嬉しい」感情を味わうために読まれる作品が多い中、異質な存在となるのが『ホラー』というジャンル。恐怖や酷い目に遭うことを目的に描かれるため、キャラクターの創り方も他と大きく異なってきます。 普通は主人公が何らかの「困難に打ち勝つ」ことを描くはずなのに、それをやってしまうと違うジャンルの作品に。主人公に愛情を持ちすぎてしまうと、途端にコメディや良い話風になってしまうという難しさも・・・ そんなある意味での「常識」が通用しないジャンルでは、何を意識し、何にこだわって描くのがいいのか? これまであまり考えてこなかったホラーというジャンルについて、今回はじっくり考えていきます!

    続きを読む 一部表示
    34 分
  • もはや「ジャンル」になった異世界転生や悪役令嬢が生み出す、少年漫画では得られない満足感と共感 #173
    2025/01/24

    「そろそろブームが終わる」と言われてから、すでに10年ぐらいが経過している異世界転生。もはや単なる流行のテンプレートではなく、スポーツやラブコメと同じく、1つの文化やジャンルとして確立されたフォーマットとして捉えるべきでしょう。 そんな「消えない」存在となった異世界転生、それに近しい分類となる悪役令嬢には、一体どういう魅力があり、どういう層の読者のどんな欲求を満たしてくれているのか。 根本にあるのは、読者の「自分は特別な何者かでありたい」という願望や、「本当の自分が認めてもらえない」という息苦しさであり、それを最もわかりやすい形で表現してくれるからこそ、異世界転生・悪役令嬢はずっと支持されているのではないでしょうか。 少年漫画に代表される「血統」「下積み」などは絶対に持ち得ないことがわかっているからこそ、多くの人の共感を集めているかもしれない「構造」と「役割」について、今回はしっかり考えてみたいと思います!

    続きを読む 一部表示
    36 分
  • コンプレックスは、漫画制作にどんな影響を与える? 恥ずかしさとの向き合い方や編集者との関係性 #172
    2025/01/22

    コンプレックスは漫画を描くための原動力になります。そこにはある種の「恥ずかしさ」が含まれており、普通であれば隠したくなる部分ですが、ぜひ思い切ってさらけ出してみてください。そこが漫画の難しいところであり、面白いところでもあるのですから。 一方で、担当の編集者がコンプレックスをさらけ出してくるのは、漫画家にとって良いことなのか悪いことなのか。さらけ出してくれる人のほうが信頼関係は深まるように思える一方、コンプレックスをぶつけ合うような人が担当者だと、自身が思い悩んでいる時などは制作が進まなくなってしまう危険も高まります。 結局は相性次第ということにはなってしまいますが、人間関係の問題はどんな仕事や創作活動においても切り離せない永遠の課題と言えます。 そんなわけで今回は、コンプレックスをテーマに「担当者として微妙な人」の共通項や、「担当者はどの程度さらけ出してくる人がいいか」について考えてみます!

    続きを読む 一部表示
    32 分
  • 訴求力を高めるキャラの立たせ方とは? 関係性や弱点の設定にも役立つ「系統」の発想と8つの分類 #171
    2025/01/20

    訴求力とは、「キャラが立っている」かどうかで決まるのかもしれません。そしてキャラ立てに大切なのは、感情を表現することとあわせ、キャラが読者にわかってもらえること。 だからこそ、主義や主張、そして価値観を描くことが求められるのですが、急に「あなたの価値観はなんですか?」と聞かれても、すぐに答えられるものではありません。 そこでおすすめなのが、「物事を成し遂げる時、自分は何が必要か?」を考えてみること。例えば、無人島で生き延びるなら何が必要かなどをいろいろ考えていくと、何からの「系統」がきっと見えてくるはずです。 系統が異なる者同士は恐らく相容れない考え方の持ち主であり、系統がわかればその裏返しである「弱点」もハッキリしたものになる等、キャラクターの関係性や造型を設計するうえで大いに役に立つことでしょう。 このラジオでは今回、キャラの系統とは以下8つのいずれかに分類できるのではないかと考えたので、紹介させていただきます。 1)力・支配系 2)知性・合理系 3)愛・絆系 4)成長・自己実現系 5)自由・個性系 6)信仰・運命系 7)快楽・欲望系 8)秩序・集団系 キャラを設計するうえで、ぜひこちらを参考にしてもらったり、「こんな系統もあるのでは?」と考えてもらえたらと思います!

    続きを読む 一部表示
    38 分