• 第二の目としてのAI

  • 2024/12/05
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第二の目としてのAI

  • サマリー

  • AI画像診断が医療システムを大きく変えるとの見解を、弊社欧州医療機器担当アナリストのロバート・デイビスが深掘りしてお伝えします。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日はAIを利用したスマートイメージングが画像診断に対する弊社アプローチを大きく変えていることについて欧州医療機器担当責任者のロバート・デイビスが解説します。このエピソードは12月5日 にボストンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。視聴者の皆さんがレントゲンやCTスキャン、超音波検査を最後に受けたのはいつでしたか。住んでいる場所によって異なりますが、1カ月待った人もいるでしょう。画像による診断は今、大きな課題に直面しています。人口増加、長寿化、慢性疾患の増加に伴い画像検査の件数が増え続けているためです。米国ではCTスキャン件数が1995年に比べ4倍に増えています。これにより、どのような影響があるでしょうか。放射線科医が3-4秒に1枚のペースでCT画像やMRI画像を毎日8時間、診断し続けている状況を想像してみてください。需要の急増に対応するためには現在このペースが必要なのです。また、米国でも高齢化が進み、メディケア加入者が増加しています。医療費は増え続け、米国の医療支出は合計で4兆5,000億ドルに達しています。これは米国のGDPの約2割に相当します。その上、患者は迅速かつ正確な診断を必要としています。しかし、待ち時間が長くて診断が間に合わないことは多く、全く診断してもらえないこともあります。このように画像診断の観点から見ると、医療システムにかかる負荷は年々増加しています。スマートイメージングでは画像処理とワークフローを改善するためにAIツールを活用しており、画像の収集、処理、分析も従来より強化されることになります。我々は長寿化と技術の普及を24年の大きなテーマの一つとして位置づけてきましたが、スマートイメージングはまさにその2つが重なったものと言えるでしょう。また、需要の増加という深刻な課題の解決にも役立つと思われます。実際に、AIは450億ドル規模の画像診断市場をすでに大きく変えつつあります。AI画像診断は画像診断の準備、計画から画像の処理、分析に至る一連の流れにおいて、複数の段階に組み込まれます。AIを利用することの利点は主に2つあります。画質が向上するため正確な診断が保証されること、患者が経験する一連の過程でスピード、効率、全体的な快適さが改善することです。また、AIは放射線科医の「第二の目」として事実上機能し、パターン認識の正確さではしばしば人間を上回ります。これは誤診を減らすために非常にも重要です。誤診は現在の米国の医療制度で年間約1,000億ドルのコスト要因となっているためです。誤診を最小限に抑えられるだけでなく、AIは原疾患の特定に加えて、潜在的な二次疾患も示すことができます。1枚の画像に3-4秒しか時間をかけられない放射線科医にとって、二次疾患は、通常は優先事項とはなりません。しかし、スマートイメージングを使うことで命を救える可能性があります。では、AIは臨床現場のどのような場面に適しているでしょうか。画像診断のワークフローには複数の段階がありますが、患者の画像診断の準備から画像処理、最終的な診断、報告、治療計画の活用に至るバリューチェーン全体でAIは有効です。放射線科医学は現在、FDAが公表したAI/機械学習対応医療機器リストの圧倒的部分を占めています。幅広い経済への影響を考えた場合、スマートイメージングは医療費、医療の質、医療の成果の改善に幅広く影響を及ぼす医療技術の重要な進化であることは間違いありません。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにも...
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あらすじ・解説

AI画像診断が医療システムを大きく変えるとの見解を、弊社欧州医療機器担当アナリストのロバート・デイビスが深掘りしてお伝えします。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日はAIを利用したスマートイメージングが画像診断に対する弊社アプローチを大きく変えていることについて欧州医療機器担当責任者のロバート・デイビスが解説します。このエピソードは12月5日 にボストンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。視聴者の皆さんがレントゲンやCTスキャン、超音波検査を最後に受けたのはいつでしたか。住んでいる場所によって異なりますが、1カ月待った人もいるでしょう。画像による診断は今、大きな課題に直面しています。人口増加、長寿化、慢性疾患の増加に伴い画像検査の件数が増え続けているためです。米国ではCTスキャン件数が1995年に比べ4倍に増えています。これにより、どのような影響があるでしょうか。放射線科医が3-4秒に1枚のペースでCT画像やMRI画像を毎日8時間、診断し続けている状況を想像してみてください。需要の急増に対応するためには現在このペースが必要なのです。また、米国でも高齢化が進み、メディケア加入者が増加しています。医療費は増え続け、米国の医療支出は合計で4兆5,000億ドルに達しています。これは米国のGDPの約2割に相当します。その上、患者は迅速かつ正確な診断を必要としています。しかし、待ち時間が長くて診断が間に合わないことは多く、全く診断してもらえないこともあります。このように画像診断の観点から見ると、医療システムにかかる負荷は年々増加しています。スマートイメージングでは画像処理とワークフローを改善するためにAIツールを活用しており、画像の収集、処理、分析も従来より強化されることになります。我々は長寿化と技術の普及を24年の大きなテーマの一つとして位置づけてきましたが、スマートイメージングはまさにその2つが重なったものと言えるでしょう。また、需要の増加という深刻な課題の解決にも役立つと思われます。実際に、AIは450億ドル規模の画像診断市場をすでに大きく変えつつあります。AI画像診断は画像診断の準備、計画から画像の処理、分析に至る一連の流れにおいて、複数の段階に組み込まれます。AIを利用することの利点は主に2つあります。画質が向上するため正確な診断が保証されること、患者が経験する一連の過程でスピード、効率、全体的な快適さが改善することです。また、AIは放射線科医の「第二の目」として事実上機能し、パターン認識の正確さではしばしば人間を上回ります。これは誤診を減らすために非常にも重要です。誤診は現在の米国の医療制度で年間約1,000億ドルのコスト要因となっているためです。誤診を最小限に抑えられるだけでなく、AIは原疾患の特定に加えて、潜在的な二次疾患も示すことができます。1枚の画像に3-4秒しか時間をかけられない放射線科医にとって、二次疾患は、通常は優先事項とはなりません。しかし、スマートイメージングを使うことで命を救える可能性があります。では、AIは臨床現場のどのような場面に適しているでしょうか。画像診断のワークフローには複数の段階がありますが、患者の画像診断の準備から画像処理、最終的な診断、報告、治療計画の活用に至るバリューチェーン全体でAIは有効です。放射線科医学は現在、FDAが公表したAI/機械学習対応医療機器リストの圧倒的部分を占めています。幅広い経済への影響を考えた場合、スマートイメージングは医療費、医療の質、医療の成果の改善に幅広く影響を及ぼす医療技術の重要な進化であることは間違いありません。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにも...

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