エピソード

  • 51|易から見るビジネス・近代・横浜
    2025/11/04

    今回の感謝本:高木彬光『「横浜」をつくった男 易聖・高島嘉右衛門の生涯』(光文社文庫)


    【今回のトピック】田中純『磯崎新論』が出てくると思ったが/ネオダダにコミットしてた磯崎は建築ぎらい?/戦中派ゆえに感じる「建てることの不可能性」/反建築のまま建築すること/廃墟の絵からスタートしたつくばセンタービル/電通出身ながら広告をつくったことがほぼない廣田/反広告、反マーケ、反プロモーション/一番ラジカルなのはコンテンツ/財閥レベルの商才があったのに歴史から存在を消した男・高島嘉右衛門/ビジネスマンであり稀代の易者/嘉右衛門、14歳で南部藩の製鉄所事業見積もりを記す/易で地震を予想し的中/外国人相手の伊万里焼き屋を横浜でひらき大当たり/不良外国人とつるみ金銀のレート差を利用しボロもうけ/仲間に裏切られ逮捕/投獄中に本格的に易を学ぶ/語学堪能な若者(後の帝国ホテル支配人)を超高額で雇う/大使館を建てたい外国人から大量受注/和洋折衷の大旅館・高島屋をつくる/大隈重信や伊藤博文を占ってあげマイメンに/鉄道建築を進言し埋め立て事業を担当/日本初のガス会社も設立/陸奥宗光に陰陽論をベースに「横浜に遊郭をつくろう!」と進言/横浜は易でできた町/政局・戦況を常に占う/伊藤博文暗殺を予言してしまい個人を占うことを辞める/拡大路線をとらずすっぱり隠居/易で「見る」大局観のおもしろさと強さ/ずっと再魔術化の話してない?

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    47 分
  • 50|送り迎え後のウォーキングから世界を変える─池田光史『歩く マジで人生が変わる習慣』
    2025/10/27

    今回の感謝本:池田光史『歩く マジで人生が変わる習慣』(NewsPicksパブリッシング)

    【今回のトピック】 「いい本ってどんな本ですか?」と聞かれたら/関心のジャストミート本と補助線本/読了後に行動が変わる本/自己啓発書が嫌いだった武田/憑依型人間にとって自己啓発書は劇薬!/習慣づけが難しい子育て世代とトレーニング/保育園送り後に始めた30分ウォーキング/ビジネス・自己啓発書に擬態した仲間集めの書/本は建築・目次は間取り図/メタ社屋上には東京ドーム規模の人工トレイルがある/テンセント本社で社員は歩きながら会議する/万歩計は日本のイノベーション/歩くと脳がフリーになる/若者が好むおしゃれな町=ウォーカブルな町/女性の歩数が少ない町とは/ベアフットシューズに出会って人生が変わったという著者/小股で足のセンサーで地面を味わって歩いていた人類たち/地面の情報を得て考えながら歩く楽しさ/歩くだけで楽しい靴らしい/再魔術化としての徒歩/感謝本が鈍器本を連れてきてくれた/番組でベアフットシューズ・BASHOつくりたいね

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    29 分
  • 49|なぜ今、民俗ホラーなのか
    2025/10/20

    【今回のトピック】武田人生初のホラーゲームチャレンジ中/なぜいまホラーなのか/花王によるホラーゲーム「しずかなおそうじ」/『ネット怪談の民俗学』/2020年代以降のフォークホラーブーム/アメリカの若者、22%が定期的にホラーゲームをプレイ/方南町にあるオバケンの恐怖体験/ホラー的表現がメジャー作品に浸食している/「サイレントヒル」シリーズ概論/最新作『サイレントヒルf』で描かれる1960年代の山間の村/町に散らばる手記の断片から想像する事件のあらまし/周回プレイ前提の分岐型シナリオ/コントローラーのスピーカーから流れるラジオの音/第4の壁を越えてくる演出/最新のイマーシブ型ホラー「Viola's Room」/爆弾処理班体験×演劇「Trigger Point」/なぜひとは恐怖を味わいたがるのか/近代以前のほの暗さへの郷愁/バナキュラーへの回帰と代替不可能性/道の駅とクラフトビール/世界は中世に戻ってる?/「世界の再魔術化」/高度なテクノロジーによってひとは世界から阻害される/狐憑きから統合失調症へ/恐怖による「生」の再獲得/教会建築やグラフィックによる情報伝達=中世的/フェイクニュースと都市伝説の差違はあるか/お化けやゾンビは映し鏡/感謝の妖怪つくりたい

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    33 分
  • 48|急にいなくなっちゃった「あの人」との別れ方
    2025/10/06

    今回の感謝本:

    宇波彰『旅に出て世界を考える』(論創社)

    中沢新一『大阪アースダイバー』( 講談社)


    【今回のトピック】トップ難関校だけが入塾できる東大受験専門予備校・鉄緑会での出会い/東大より過酷な環境/高3から入塾しビリだった廣田/物理の授業で隣になったSさん/異次元難易度の理三/塾帰りの公園でやった花火/Sさん卒業式を欠席しひとりリビアへ/文通のはじまり/思春期特有の距離感/「友達だったら一生仲良くいれるよね」/研究医としてアメリカで活躍/8月、突然伝えられた訃報/同い年の親友ともう会えないなんて思えない/リビア滞在中の手紙に「宇波先生っていう仏文研究者と会った」/1996年にリビア滞在中に書かれたエッセイを発見/同書内に前回の感謝本・中沢厚『石に宿るもの』が登場/大阪ってNYぽくない?/ふとSさんの大阪でのキャリアを思い出す/梅田の紀伊國屋書店で手に取った『大阪アースダイバー』/東西を重要な通りと考えた大阪/生駒山から太陽が昇り中百舌鳥へ沈む/中百舌鳥=古墳のショーケース/古代人「死んだ魂は山へ還る」/万博を無視して往馬大社へ/誰もいない境内に舞う蜻蛉たち/招かれているときの神社はハンパない/「こんな感謝のしかた、あんのかよ〜」/「くらげなす」土地と傀儡子による無縁社会/追悼・本・感謝

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    46 分
  • 47|藤井風がシンボルスカを連れてきた!─ヴィスワヴァ・シンボルスカ『瞬間』
    2025/09/29

    今回の感謝本:ヴィスワヴァ・シンボルスカ『瞬間』(未知谷)

    【今回のトピック】執筆の目処が立ってきた武田/あこれがれの文体は自分では扱えない/藤井風への複雑な距離感/ルーティンを手放していく/憑依型はリファレンスを要しない?/本をテーマにしたpodcasterたちのイベント「選書イズラブ (with Podcasters)」に参加します!/本棚の中で光を発していた1冊/激動の時代のポーランドをまなざす詩人/読みを助けてくれる訳者解題/「だって詩集なんだもん」/「瞬間」「ひしめき合う世界で」/処方箋的なことばと問いを拡張してくれる詩/選書なのに自分で選んだ気がしない/たくさんの哀しみを経験したひとの発する優しさ/シンボルスカの2つの大きな喪失/祖国は亡くとも風景はたたずんでいる/自分が自分でいることの圧倒的偶然性/自分にとって大切なことばは自然とつながりあう/ペイフォワードしていくんだ/藤井風がシンボルスカを連れてきた!/書かされているという感覚/「さまよえる魂の通り道」っていうとアレだけど、でもそうだよね▼番組への感想、メッセージ、あなたの感謝本をぜひお送りください!https://forms.gle/jSZMtD58zpaD3gzH9

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    37 分
  • 46|サブスク時代に「音楽」を取り戻す方法
    2025/09/22

    【今回のトピック】音楽なにで聞いてます?/それぞれの音楽視聴史/6歳差のメディア体験/ソニーとsonic stage/ipod classicという事件/Winny、Cabos、LimeWire/原体験としてのカセットテープとエアチェック/「廣田くんヒップホップばっか聞いてブレてるよ」/人質としてのミックステープ/mp3→CDへの焼き戻し/サブスクが音楽好きに忌避されていた時代/アクセス権というさびしさ/この1000円でなにを聞くべきかという思春期最大の問い/せっかくだからがまんして聞くか/TSUTAYA棚巡回の楽しさとネトフリDIGのむなしさ/都内レコードショップ巡りというRPG/町を領土化する/必要なコストと豊かさ/音楽メディアは「速い」/ソニーミュージックのCMのサウンドロゴ/試聴なき「本聴」の時代/タワーレコードとゆらゆら帝国/誤配は増えている?/プレイリストと贖罪/作業BGMはAIにとってかわる/The Velvet Sundown以降の世界/サブスク時代に「あの頃」の音楽体験はできるのか?/今こそ音楽メディアに触れるべし!/今こそ『ミュージック・マガジン』を定期購読すべし!/ミュージックバーというメディア/編集、文脈と視点/レビューこそ雑誌の核心/サブスクと雑誌の相性のよさ/BRUTUSのマップアプリ/かつては蔑称だったカタログ誌を復権させたい/調べる権利と楽しさ▼番組への感想、メッセージ、あなたの感謝本をぜひお送りください!https://forms.gle/jSZMtD58zpaD3gzH9

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    39 分
  • 45|崇め、投げ、戦う。石という不思議─中沢厚『石にやどるもの 甲斐の石神と石仏』
    2025/09/16

    今回の感謝本:中沢厚『石にやどるもの 甲斐の石神と石仏』(平凡社)


    【今回のトピック】夏に山梨探訪をしていた廣田/崇める対象としての石/飛び道具としての石/道祖神の起源って?/悪しきものを防ぐ岐(くなど)の神、塞(さえ)の神/結界+道教の考え+神話的イメージ/天祖降臨でニニギの道案内をした猿田彦/後に仏教もミックスされ六地蔵へ/山梨の丸石信仰/長野は石の棒を飾ってる/自然界において球体はめずらしい/著者は中沢新一の父/カメラが趣味の青年、偶然出会った植物学者に民俗学を勧められる/山梨をリサーチした伝説的民俗学者・山中共古/山梨の馬頭観音は穏やかな顔/石投げ合戦としょんべんきり/つぶてから蒙古襲来、そして網野史観へ/ひとはいつから石を投げ戦ったのか/そしてもののけ姫へ/山梨と煮貝/おばけには必ず出身地がある/民間信仰とポップカルチャー▼番組への感想、メッセージ、あなたの感謝本をぜひお送りください!https://forms.gle/jSZMtD58zpaD3gzH9

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    32 分
  • 44|ふたたび世界を味わうために─永井玲衣『さみしくてごめん』
    2025/09/08

    今回の感謝本:永井玲衣『さみしくてごめん』(大和書房)


    【今回のトピック】生活のうまくいってなさ赤裸々に話します!/子育てと「継続」の相性の悪さ/悩みを検索すると広告に誘導されるつらさ/正解以外は損するよ、というナラティブ/ディーラーで聞いた「今こそ都民はEVに乗るべき理由」のおもしろさとノレなさ/選べる豊かさと差異化のゲーム/ユーザー全員が商品の時代/過剰なアップデートとアンラーニング/新車が欲しいわけでも旧車に乗りたいわけでもない/残クレアルファード問題/じつは永井玲衣さんの哲学対話のスタイルにインスピレーションをもらってます/念入りな散歩とは何か/選ばれないまま未知に出会いたい/世界は絶えず未知のサインを送っている/圧巻の散歩描写でなにかバリバリと剥がれた武田/過剰な比較検討をもうしたくない/世界そのものに触れていたい/今までにないものを出そうして生まれたアイディアへの既視感/「スルメを見てイカがわかるか?」/ベンヤミンの気散じ/感じられる世界を味わうということ/課題解決思考で失ってしまうもの/一編のエッセイで「大丈夫」って思えるすごさ/答えのない問いの豊かさ/▼番組への感想、メッセージ、あなたの感謝本をぜひお送りください!https://forms.gle/jSZMtD58zpaD3gzH9

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    28 分