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私とは何か――「個人」から「分人」へ

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私とは何か――「個人」から「分人」へ

著者: 平野 啓一郎
ナレーター: 椎名 ライカ
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このコンテンツについて

【10万部達成のロングセラー】
嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛・職場・家族……人間関係に悩むすべての人へ。小説と格闘する中で生まれた、目からウロコの人間観!©Keiichiro Hirano/Cork (P)2022 Audible, Inc.
宗教・スピリチュアル

私とは何か――「個人」から「分人」へに寄せられたリスナーの声

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私の辞書に分人という文字は無かった。

初めて分人という言葉を知り、説明を聴くとなるほどそういう考え方があり、何も考えず自然に行っている事でもあった様な気がします。自分の中の分人と他者の中の分人を見つけるとより善い人生が過ごせるかもしれません。

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読んでよかった

小説を読んでも理解できなかった部分が解説されていた。これからの小説の読み方が変わりそう。
平野先生、ありがとうございます。

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最高の一冊

精神医学の勉強をしておりますが、その点でも応用が利く極めて素晴らしい内容でした。さすが平野啓一郎!

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答えがここにあった!

モヤモヤしていた悩みが消えて楽になりました。ありがとうございます。

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もやもやがすっきり

文中にもありましたが、分人として捉えることで、自分の中に複数の自分がいることについて抱えていたもやもやが、かなりすっきりしました。ただ、持論の展開だけでなく、各章の問題に関して想定される反論への対応など、より深い考察を提示して頂けると、さらに納得感が強まると思いました。
ナレーションは、くっきりはっきりしていて、内容がよく伝わってきてよかったです。

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生きることが楽になる

私もたくさんの分人を生きていて、うまくいかないことは私がダメな人間なのではなく、相手との分人がうまくいっていないだけ、そう思うととても気が楽になりました。
著者の小説は読んだことがないですが、読んでみたくなりました。

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分人とは

私とは何か。私は私という個人であるという認識は正しいのか。本書では個人の定義について疑問を投げかける内容である。そもそも私という個人は果たして存在するのだろうか。家いる時、会社にいる時、趣味をしている時、其々で別の顔をもっている。たった一つの本当の自分など存在しない。よく家だと明るいのに外だと暗いんだねとか、中学生の時はインキャだったのに高校生になって急に陽キャなったなどの話しがある。
大概そういう話しをする時、される時それはネガティヴな印象をもって語られることが多い。それはアイツは本来暗いのに、外で無理に明るく振る舞っているとか、本来の性格では無いのに無理に自らの性格を捻じ曲げているから滑稽だ。というニュアンスが含まれているように思う。しかし、本来の自分とはなんだろうか。赤ちゃんの時の自分が本来の自分なのか?幼稚園児の自分が本来の自分?小学校の時が?中学?高校?大学?社会人?
そのどれが本来の自分だと一体だれが判断出来るのか。本来の自分など存在はしない。何故なら個人を認識すら為には他者が必要だからである。他者との関わりにより都度、変化し反応して「自分」を発揮する事によって「個人」として他人に認識される。本書では都度変化する個人の形を「分人」と定義する事により、個人とは何かを考察し直している。「分人」として人の性格を分析すると様々な事が見えてくる。本当の自分探しをしに異国に旅に出る人がいるが、「本当の自分」など探しても無駄だ。本当の自分など無く、その時々「分人」としての自分しか存在しない。そう考えると、何故我々は八方美人が嫌われるのかがわかってくる。八方美人は誰に対しても同じ態度で接している。それはつまり、相手の個性を認めず、尊重しない態度で接しているからである。では、個性とは何か。個性とは分人の構成比率である。個性という一貫した性格が一つだけあるのでは無く、他人に見せる様々な分人の特徴が個性として反映される。他人と楽しく接する分人が多い人は楽しい人という個性になるし、他人に接する際怒りの感情が多いひとは怒りっぽい人という個性になる。その比率によって個性、ひいては性格が決まるといえる。ならば、その比率を意図的にコントロールする事で自らの性格をより良い方向に変化させることも出来るのである。そもそも個人という言葉は西洋的から輸入された言葉であり考え方である。一神教のキリスト教的思想のもと、
一つの神を信じる一個人として群衆から分割していき、最終的に分割しきれない「個」である人、「個人」と定義したのが始まりである。西洋ではそれまでの封建制度が崩壊し、社会革命を経て個人の尊重に行き着いた経緯があり、利己主義ではなく個人主義が尊ばれてきた。しかし、人間を個人と定義することにより、本来多面的な性質をもつ人の性格に一貫性を求める傾向が出来てしまい、現代社会において生き辛さの原因にもなっているように思う。そもそも相手や自分に一貫性を求めてしまうのは、相手の全ての顔を知りたいという欲求、ひいては相手を全て掌握したいという傲慢な考えから来ているものであり、誰であれ、他人と接する時点で様々な顔があるのは「分人」として当然のことであり、嫉妬に感けて相手に一貫性を求めるのは正しいとは言えない。「分人」という考えを頭に入れると、自分にも他人も無理に一貫性を求める事なく、「今」の状態を素直に受け入れる事ができる、とてもいい考え方だと思った。

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わかりやすかった

子育てに仕事にも、さまざまな場面でリンクできそう。

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分人主義の理解が深まった

著者の『空白をみたしなさい』を聴いて、分人主義に興味を持った。
続けて、本書を聴いて、よりしっくりきた部分が多かった。
本当は難解な話なのだと思うが、分かりやすく書かれていたのは、著者のすごさだろう。それを作品に落とし込んでいるのだから、それもすごい。
「分人」を初めて概念化した作品で、本書を出すきっかけにもなったという『ドーン』も聴いてみたいと思った。

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うーん、まあまあ

 結局、分人主義というのはフロイトによる無意識の発見やユングによるペルソナの発見を単に少しだけ現代風にアレンジしたに過ぎない気もする。分人化には他者が必要であるという点以外はほとんど同じではないだろうか。
 誰でも暗黙知として知っていることを言語化して広く浅く考察した点はいいけれど、分人化の究極系とも言える統合失調症の多重人格については触れていないのは何故だろう。
 著者は精神科医ではないし、どんな個人にも人格が複数あるのは普遍的なことだと言いたいので、あえてマイナーケースは省いたのかもしれないが、その点はやや片手落ちな気もした。
 とはいえ、この人の小説は読んだことがないし、これを機に分人シリーズを拝読してみようという気にはなった。

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