知っておきたい日本の漢詩第十二回 安らぎを求めて 夏目漱石
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宇野 直人
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宇野 直人
このコンテンツについて
漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。
時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です
<第十二回>
安らぎを求めて――夏目漱石
夏目漱石(1867~1916)は、もちろん、森鷗外とともに日本の近代文学を確立した大家ですが、漢詩人としても独自の個性を発揮し、大きな足跡をしるしています。
彼は小学校時代から漢詩文や中国美術を好み、漢学塾の二松学舎(にしょうがくしゃ=今日の二松学舎大学の前身)に学びましたが、帝国大学(東京帝国大学の前身)では英文学を修め、卒業後は松山や熊本で教壇に立ちました。34歳の時イギリスに留学し、帰国後、教職のかたわら創作への意欲を強め、30代の終わりから創作に専念、評論や講演も手がけました。
漢詩の作風から見ると、次の四期に分けることができます(和田利男『漱石漢詩研究』による)。第一期(洋行以前)=十代半ばから、イギリスに留学する34歳まで。第二期(修善寺大患の時期)=44歳の秋から四か月間。第三期(南画趣味の時期)=46歳から48歳のころまで。第四期(『明暗』執筆時)=『明暗』を執筆・連載中の50歳、生涯最後の年。
<収録作品>
無題
菜花黄 明治三十一年三月
無題 明治四十三年九月二十日
春日偶成十首 其七
春暁 孟浩然
無題 十一月十九日
<著者紹介>
講師:宇野直人(うの・なおと)
昭和二十九年、東京生まれ。©Naoto Uno 2019
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