ドグラ・マグラ
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ナレーター:
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小林 直人
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著者:
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夢野 久作
このコンテンツについて
「日本三大奇書」のひとつといわれる夢野 久作のドグラ・マグラ。
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――居るとすればその悪魔は、どのような姿をしてドンナ処に潜み隠れているものなのか――
――その悪魔はソモソモ如何なる因縁によって胎生しつつ、どのような栄養物を摂(と)って生長して行くものなのか――
――その害悪と冷笑とを逞ましくし行く手段は如何――
かような質問に対して躊躇せずに答え得る人間は、そう余計には居るまいと思う。然るに私はまだヤット二十歳になったばかしの青二才である。だから聖人でも哲学者でもない筈であるが、しかしこの問いに対しては明白に答え得る確信を持っている。
――ホントウの悪魔とは、自分を悪魔と思っていない人間を指して云うのである――自分では夢にも気付かないまんまに、他人の幸福や生命をあらゆる残忍な方法で否定しながら、平気の平左で白昼の大道を濶歩して行くものが、ホントウの悪魔でなければならぬ――
――だから本当の悪魔というものは誰の眼にも止まらないで存在しているのだ――
――そのような悪魔の現実社会に於ける生活とか、仕事とかいうものが如何に戦慄すべきものがあるかという事なぞも、滅多に考えられた事がないのだ――
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「アハハハ。どうもしねえだよ。仕事を手伝いせえすれあ、ええんだ」
「許して……許して下さあい。僕……僕は……お母さんが……姉さんが家(うち)に居るんですから……」
「ウハハハハ……云う事を聴かねえとコレだぞ」
「致します致します。何でも致します。……すぐに……すぐに船から下して下さい。殺さないで下さい」
「知ってやがったか。ワハハハハハハハ」
昭和二年頃の十月の末だったっけ……
足音高くブリッジに登って行った俺は、船長(おやじ)の背後でワザと足音高く立停まった。
「おはよう……」と声をかけたがは見向きもしない。何しろ船長仲間でも指折の変人だからね。何か一心に考えていたらしい。俺は右手に提げた黄色い、四角い紙包を船長の鼻の先にブラ下げてキリキリと回転さした。
「御註文のチベット紅茶です。やッと探し出したんです」
船長(おやじ)はやっとびっくりしたらしく首を縮めた。無言のまま六尺豊かの長身をニューとこっちへ向けて紅茶を受取った。
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――その害悪と冷笑とを逞ましくし行く手段は如何――
かような質問に対して躊躇せずに答え得る人間は、そう余計には居るまいと思う。然るに私はまだヤット二十歳になったばかしの青二才である。だから聖人でも哲学者でもない筈であるが、しかしこの問いに対しては明白に答え得る確信を持っている。
――ホントウの悪魔とは、自分を悪魔と思っていない人間を指して云うのである――自分では夢にも気付かないまんまに、他人の幸福や生命をあらゆる残忍な方法で否定しながら、平気の平左で白昼の大道を濶歩して行くものが、ホントウの悪魔でなければならぬ――
――だから本当の悪魔というものは誰の眼にも止まらないで存在しているのだ――
――そのような悪魔の現実社会に於ける生活とか、仕事とかいうものが如何に戦慄すべきものがあるかという事なぞも、滅多に考えられた事がないのだ――
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「許して……許して下さあい。僕……僕は……お母さんが……姉さんが家(うち)に居るんですから……」
「ウハハハハ……云う事を聴かねえとコレだぞ」
「致します致します。何でも致します。……すぐに……すぐに船から下して下さい。殺さないで下さい」
「知ってやがったか。ワハハハハハハハ」
昭和二年頃の十月の末だったっけ……
足音高くブリッジに登って行った俺は、船長(おやじ)の背後でワザと足音高く立停まった。
「おはよう……」と声をかけたがは見向きもしない。何しろ船長仲間でも指折の変人だからね。何か一心に考えていたらしい。俺は右手に提げた黄色い、四角い紙包を船長の鼻の先にブラ下げてキリキリと回転さした。
「御註文のチベット紅茶です。やッと探し出したんです」
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ドグラ・マグラに寄せられたリスナーの声
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- 2022/07/13
オーディブルだからこそ
この長い物語は、オーディブルだからこそ最後まで追いきれたと思います。途中の訳のわからないような部分の意味は、最後まで読むとわかることでした。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ナレーション
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ストーリー
- パンダ
- 2023/11/24
ナレーションの節に癖があり
難しい作品だとは思いますが、歌う必要はあるのでしょうか。かなり長いお経的な部分の「あ〜ぁぁ〜あ〜」の部分が何十回と繰り返されるうちに、そのメロディーと声の高さにどうしても聞くに耐えれず、他のナレーターさんの同作に乗り換えました。そちらはとても聞きやすいです。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ナレーション
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- 2024/06/16
歌の部分が
小説って自分で想像するのも楽しみだと思うんですけど、リズムつけられるとその余地がなくなると言いますか。作風的にも淡々と読んでもらった方が雰囲気出ていいんじゃないかなと思った次第です。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ナレーション
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漢字の読みを正しく
例えば人事不省をじんじふしょうと読んでいる。小栗虫太郎の黒死館や虚無への供物なども入れてもらいたい。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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意外とちゃんとしてる
評判から、どんなわけのわからない本なのかと思っていましたが、意外にしっかりとした構成で、その上での狂気的な執念が描かれていました。終わり方も個人的には納得できる形で、きつい部分もありましたが、面白かったです。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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ナレーション
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- yoshi
- 2020/12/31
世界観が味わえる
とても面白かったです。プロの方のナレーションでたっぷり世界観に耽溺できました
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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- Kindleのお客様
- 2023/01/28
何もかも素晴らしい
精神医学について深い知識のある素晴らしい内容でした。聴けて良かったです
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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- シミ
- 2018/09/04
改めて、聴いてみるとなかなか面白い
高校生の頃読んで、訳の分からなかった作品。希代の奇書というだけあって、味わい深いものである。
全ての人類がキチガイであるというのも面白いし、実際そうなのだろうとも思う。
何をもって正常であるのか、これはとても大きな問題であり、命題た。
聴くドグラ・マグラ毒杯をあなたも一献傾けて見てはいかがか。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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- Amazon Customer
- 2023/04/17
時間を返して欲しいと思うくらい、期待外れ
途中、面白いと思える箇所もあったが、全体的には結論や結末を最後まで提示せず、ただただ回りくどかったり繰り返しの表現で物語を引き伸ばしており、また科学的に間違った、存在もしない見解を、さも素晴らしい学説のように語る人物が、単なる「気違い」にしか思えず、その部分は全く面白くもないし、むしろ不愉快。
最後にあっと驚くような展開があるのかと思ったが、全く期待外れで、時間を返して欲しいと思ったくらい。
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