『高野聖』のカバーアート

高野聖

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高野聖

著者: 泉 鏡花
ナレーター: 西村 健志
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このコンテンツについて

<内容紹介>

私は汽車の中で旅僧と居合わせた。話を聞くと高野山に籍を置いている旅僧で、宗派は違うが永平寺に訪ねる用があり、今晩は一泊するという。私は若狭へ帰省するところで、一泊しなければならなく、旅僧と敦賀の旅籠屋で同宿することになった。私は夜が更けるまで寝ることができない質なので、旅僧に諸国を行脚したおもしろい話はないかとねだった。 すると、旅僧は若い頃の奇妙な体験談を語りだし、それは、旅僧が飛騨の山越えをした時の話であった。



私(旅僧)は喉が渇き茶屋に入ったところ、付近で恐ろしい病が流行っていることを思い出した。茶屋の女にこの水は井戸のか、それとも川のかと訪ねたところを富山の薬売りに聞かれ、薬売りは「女ができないからと坊主になって、でも生命がほしいんだな。生命が危なくなったら薬をやるよ。」と馬鹿にされた。私は逃げ出し、むやみに急いでいると、先程の薬売りが無言でわざとらしく私を追い越し、危ない旧道の方へさっさと行ってしまった。見殺しには出来ないと思い、薬売りを追いかけることにした。蛇に苦戦した後、目の前に大森林があらわれ、森に入ると次々にボタリとヒルが落ちてきた。ヒルをもぎ取りながら夢中で走りようやく森を抜けると、馬の嘶く声が聞こえ、一軒の山家の前に来た。その家には小造りの美しい女が住んでいた。近くに旅籠がなく、その山家に泊めてもらうことにした。汗まみれであったために川で流すことにし、女は背中を流してくれたが、女もいつの間にか衣服を脱いでいた。蝙蝠や猿が女にまとわりついてきて、女は邪険に追い払いながら家に戻ると、家の番をしていた親仁が「ご坊様の体で帰ってきたのか」と変なことを言う。やがて、夜もふけると外で20、30もの獣の鼻息、羽音、囁きが聞こえ、まるで地獄絵の一枚のような気色であった。私は一心不乱に陀羅尼を呪した。翌朝、女に惜しまれながらも家を出発したが、私が修行を止め、女と一所に生涯を送ろうと狐家に引き返そうとしたところ、馬を売り鯉を買ってきた帰りの親仁に声をかけられた。親仁はある秘密を教えてくれた・・・。



<泉鏡花>

1873年、石川県生まれ。9歳の時、母が次女出産後に急逝。18歳の時、尾崎紅葉の門下に入り尾崎家で暮らすようになる。19歳で文壇デビューし、27歳、名作「高野聖」を発表。小説や戯曲を創作し、作品数は300を超える。1939年死去。享年65歳。(c)2016 Pan Rolling
アジア 文芸小説

高野聖に寄せられたリスナーの声

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ずっと読みたかったのにら忘れている本でした

オーディブルで見つけた時 あ!まだ読んでなかった!と気付かされてすぐ聴きました。
面白かったので本を買いに行きます

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はじめての泉鏡花

高野聖は泉鏡花を某アニメで知り、ちゃんと、お話を知りたくて、こわごわききました。不思議と朗読の力か?残酷な描写も、想像が怖くならずに、最後まで聴くことが、出来ました。不思議七割怖さ三割ない感じ。キレイな女とお坊さんの話で、不思議なら話でよかったです。ちょっとセクシーな話でした。ドキドキしたい時おすすめします。

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女の多面性

女の美しさ、母性、色気、優しさ、神々しさ、恐ろしさ。
1人の女の多面性が入れ替わり立ち替わり現れます。
泉鏡花の情景描写には、空気の香りすらも感じさせられます。

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現代に通じるのかも

抜粋のシーンを読む機会があり、その内容が不思議と興味を惹き、今回全て聞いてみました。
読んだ時は内容に難しさを感じていましたが、聞いてみると思ったより内容がするすると入ってきて、個人的には「あぁ、これはこうなるのかな」「現世でいうハニトラ?」「欲に勝てない男性は多いな」などと思考しながら聞いて、怪奇小説ならではの残酷な描写もありますが楽しめました。
そこまで怖くはないので、苦手なジャンルの方でも聞いてみて欲しいです。

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好みが様々

書籍で何度も読んだ私の感想は、声の印象が少し違ったことでした。これは単に好みの問題でしょう。津嘉山正種さんの朗読で聴いてみたい。

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