狂人は笑う
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著者:
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夢野 久作
このコンテンツについて
<内容紹介>
「ホホホホホホホ……」 だって可笑おかしいじゃありませんか。 ……妾わたしはねえ。失恋の結果世を儚はかなみて、何度も何度も自殺しかけたんですってさあ。
失恋から精神に異常をきたした女性は自分の境遇を語る。女学校出身で卒業後は毎日牢屋のような空間に閉じ込められ、一歩も外出たらいけないと言い渡される。
終いには着物も何もかも取り上げられ、極まりの悪さを感じていた。着物を引き裂いて首をくくる可能性があるという説明に、女性は情けない気分になってしまった。
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しかし、看護婦長に支那人の存在は見えていなかった。男が語る不眠症の驚愕の原因とは?
<夢野久作(ゆめの・きゅうさく)>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。
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「ナアニ。やって見せる。児戯に類する仕事だ……」と、私は腕を組んだまま悠々と歩き出した。
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――その害悪と冷笑とを逞ましくし行く手段は如何――
かような質問に対して躊躇せずに答え得る人間は、そう余計には居るまいと思う。然るに私はまだヤット二十歳になったばかしの青二才である。だから聖人でも哲学者でもない筈であるが、しかしこの問いに対しては明白に答え得る確信を持っている。
――ホントウの悪魔とは、自分を悪魔と思っていない人間を指して云うのである――自分では夢にも気付かないまんまに、他人の幸福や生命をあらゆる残忍な方法で否定しながら、平気の平左で白昼の大道を濶歩して行くものが、ホントウの悪魔でなければならぬ――
――だから本当の悪魔というものは誰の眼にも止まらないで存在しているのだ――
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